住めば都とか
3泊したホテルのシーツは湿っぽくて、寝心地は悪かった。1日に1回はスコールが降る時期に行ったのが良く無かったかもしれないけれど、全てが湿っているように感じた。ホテルの隣は、アーケードになっていてクラブの音が鳴り響く。ホテルのレビューには「静かに休めました」と書いている人もいたので、その人のことを少しだけ憎んでみる。現状は何も変わらない。
こんな湿っぽいシーツに寝れるわけがないと思ったけれど、いつも間にか眠っていた。寝ている間は、うるさくて目が覚めることはなかった。静かに休めるとは、文字通り宿泊者は静かにすることができる、という意味なのかもしれないと考え、レビュアーに少しだけ謝る。現状はなにも変わらない。朝は、昼間よりは涼しく気持ちいい朝だった。
チェックアウトする日、あんなに寝心地が悪いと思った湿ったシーツのベッドに少しだけ愛着が湧いていた。屋上のプールに行かなかったのが、心残りと言えば心残りだ。住めば都とか言っているが、本当かもしれない。
空き缶でしあわせ#73