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空き缶でしあわせ#38

天気が変わることにすらおびえる


雲の色と空の重さで感じる始める

 雨が好きになれない。気分が晴れないし、外に行くのにも濡れてしまう。雨が良いなあと思うのは、寝る前に聞く雨音のBGMと、休みの日に何も用事がなくて家の中でゴロゴロしている時くらい。そんな日も買い物に出ようと思うからやっぱり雨は好きになれないのだ。

 雨が降る前は、雲が重い感じがする。今にも黒い雲が落ちてきそうな感じ。湿度も高くなっている気がするし。



旅行で会う雨

 旅行に行ったときに降られる雨は普段の雨とは大違いで、本当に悔しくなる。今日は絶対に屋外の観光地を巡るぞと思った日に限って降ったりする。あの現象に誰か名前を付けてほしい。今年はタイに旅行に行った。雨季を避けていこうと思ったが、職場の夏休みが使えるのが9月までで現地は雨季だった。

 不思議なもので雨季だと意気込んで行くと雨さえ文化的な体験だと思えてくる。楽しいのだ。いきなり降ってきたかと思えば、すごい勢いだ。5秒でびしょ濡れになる。ウソみたいな本当の話だ。


天気が変わることにおびえる

 私は、雨がにがてだ。旅行中、傘を持たずに歩いているのに気づいたのは、雨の匂いがするくらい空が暗くなった時だった。観光地のど真ん中。傘を売っている所なんて見当たらない。何日かいて気づいていたが、スコールが落ち着くまでに思っているより時間がかかる。5分や10分ではなかった。その時、恐怖を感じた。何時まで雨宿りしなければいけないのか、タクシーは捕まえられるか、ホテルまで距離があるから、結構時間がかかるな、とか。怖いのだ。おびえてしまうのだ。言葉もほとんど通じない。
 その時、笑っている人たちがいた。現地のお店の人たちだ。雨が店の前に水たまりを作っている。それを見て何か言って笑ったり、テントを立てている人は、テントに溜まった雨を落とすのに面白がりながらやっていた。それを見ていたらおびえている自分を笑えるようになった。

私も、もっと人生を面白がって生きていこう。

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