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空き缶でしあわせ#39

知らない日常の中に



誰かの日常

 私には、日常がある。社会人になって3年目。家と職場を行き来して、休みの日は友達に会っている。仕事が接客ではないので、たくさんの人と関わりを持つわけではない。それが私の日常。
 そんなことを思うと、私が旅行に行った時は、誰かの日常にお邪魔していることになる。そう、お邪魔している。それってすごい事ではないだろうか。ねえ。

 誰かの日常の中に私は確かに入り込んでいて、観光客を相手としている人ならば私を相手するのが日常だ。そこで出会った人のことを考えれば考えるほど日々の暮らしや旅行の時に関わる人の縁に驚く。



私の非日常

 旅行に行く時の私は、非日常である。知らない場所に突然行って、何日か生活をしてまた帰ってくる。それがとてつもなく非日常である。非日常の中で生活していると新しい発見ばかりだ。食べ物は違うし、言葉も違う。気温や文化、宗教も違う。違うものに囲まれているととても楽しい、知らないものばかりだから好奇心を刺激される。とても楽しいのだ。




知らない日常の中に

 何もかもが違う中で少し生活をして、知らない日常の中にお邪魔する経験をやめることができないと思う。楽しすぎるからだ。

 また、その旅路で残したい瞬間をカメラで撮ることも良い。見返すとその時の音や匂いや雰囲気を感じることができる。

 知らない日常の中には私が知っているものもあった。それは優しさである。人は思っているより優しい。あたたかい。分からないことを教えてくれたり、道案内をしてくれたり、バイクでATMまで乗せてくれたり。

知らない日常の中にも私の知っているものがあって安心した。

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