空き缶でしあわせ#60
あの先には何があるのか
長い階段を下っていくと町が広がっていた。きっと誰かのかけがえのない人が住んでいる町だ。
僕が初めて神社に行った記憶は地元の八幡宮だ。初詣に行った。雪が踏み固められツルツル滑る坂を上っていった。上に行くと甘酒が振舞われていて、すごく熱くて美味しかったのを覚えている。そんなことを考えながら写真を撮っていると、それぞれの人の背景が気になるのである。前にも同じような事を書いたが。散歩コースとしてこの厳しい坂を選んでいるのか、たまたま旅行できているのか。それを考えているだけでも楽しい時間なのだ。
階段の下で何かお囃子のような音が聞こえていた。秋祭りだろうか。お祭りの音は、いつ聞いても胸が熱くなる。家族が参加していれば、それ以上に楽しみになるのだろう。お祭りの前の日は、家族で明日着ていく服を試着したり、どこで待ち合わせてお昼を食べるかとか、予定を話し合う。その時間が至福の時なんだろう。
誰かの日常を想像しているだけで、幸せを分けてもらっている気がする。