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空き缶でしあわせ#68
こんなに寒いのに、そこは暑い。
僕が、頷かなかったら君はどんな顔をしただろうか。
いくら考えても分からないことをいつまでも考える時がある。今日は寒い。外はマイナス10℃を下回っている。外気温を聞いて勝手におびえる僕は、温かい室内にいる。
暑い国に行ったことがある。どうしてもその国でゾウに乗りたかった。行くと決めてからすぐ、颯爽と旅立ち、ゾウに乗ることにウキウキしていた。その国ではトゥクトゥクと言う乗り物が有名らしい。ぼったくられると情報を入手した僕は、運転手に値段を交渉する前にタクシーの金額を調査した。「よし、お金を出したとしてもこの倍までだ。」そう決めて、運転手の元へ。値段を聞くとタクシーの3.5倍。なんでやねん。高すぎる。日本人だと思ってふざけてるな。そう思った僕は全力で首を振った。相手も商売だ。でも、僕も折れる訳にはいかないのだ。
結果、タクシーの2.5倍を払いゾウに乗りに行った。
ゾウの乗り心地はトゥクトゥクよりも優しかった。