空き缶でしあわせ#34
知らない中に見つける知っている感覚
タイに行ったことしか最近は書いていないけれど、あと1か月くらいは書いていこうと思う。たくさん写真を撮ったから。
タイに行くと、知らない文化、知らない言葉、そして知らない人しかいない。最初はワクワクと緊張と不安が入り混じっていて、移動の疲れだけでなく心も疲れる感覚がある。ホテルの部屋に着いた時の安心感といば、もう格別なのだ。
格別なはずなのに、今回のホテルは違った。私はカオサン通りという場所に面しているホテルを予約した。口コミも静かに休めたとか、うるさくなかったと書いていた。それはいいねと思って予約して行ってみるとうるさかったのである。クラブで流れてくる音楽は部屋までしっかり聞こえてきて、ベースの音が床に響く感覚さえあるのだ。でもなぜかぐっすり眠れる不思議なホテルだった。
朝になり街に出ると、タイの人の日常に包まれる。テントを立て始める人や出店の準備をする人、旅行に来ているのか大きなバックパックを背負っているいている人も見える。そんな事を考えながら歩いていると客引きのお兄さんに声をかけられて驚く。「タイに来たなあ」なんて月並みなことを思いながら朝ごはんを食べる。
観光に回っているとたくさんの現地の人と観光客とすれ違う。その中で声をかけたり声をかけられたりする。そこには、知っている感覚があった。声をかけてくれる人は皆笑顔で話してくれる。とても優しい雰囲気だ。人のあたたかさを感じた。これは私も知っている感覚だ。
知らない場所で知っている感覚を感じたとき、どこでも生活できるかもしれないと思った。