空き缶でしあわせ#1
あの頃は
「今日の夕飯は何だろうね。」
妹のあかりはふと僕に話しかけた。僕は水面に夕日が反射しているのをじっと見ていて最初は反応できなかった。「お兄ちゃん!」と大きな声が聞こえる。隣を見ると夕日みたいにまん丸にほっぺを膨らませた妹がいた。反射的に謝る。おかあさんにバレていないか後ろを向く。誰かと話している。妹はこうなると家まで不機嫌なのだ。母親に呼ばれるまでは、このまま水面に映る夕陽を見ていよう。
2人の距離は他人にしては近かく、兄弟にしては遠かった。
「今日の夕飯は何だろうね。」
妹のあかりはふと僕に話しかけた。僕は水面に夕日が反射しているのをじっと見ていて最初は反応できなかった。「お兄ちゃん!」と大きな声が聞こえる。隣を見ると夕日みたいにまん丸にほっぺを膨らませた妹がいた。反射的に謝る。おかあさんにバレていないか後ろを向く。誰かと話している。妹はこうなると家まで不機嫌なのだ。母親に呼ばれるまでは、このまま水面に映る夕陽を見ていよう。
2人の距離は他人にしては近かく、兄弟にしては遠かった。