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常夏の国でレモンパイ
これが日常になればいいのに。そう願って僕は、明後日から始まる仕事のことを考える。旅行中だろうと頭の片隅にあるこれは、日常生活で1日の1/3を使うものだ。
普段の仕事はずっと屋内で、仕事中に外に出ることなんてない。出たとしても患者を見送るための3分くらいだ。おっと、自分は看護師をしているんだった。そんなことを忘れてしまうくらい、楽しかった。
旅行は非日常体験と言い換えることもできるだろう。知らない場所を歩いたり、名物を食べたり、地元の人と話したり。それが楽しいことは、誰もが知っている。日常があるから非日常という言葉があることもみんな知っていることだ。
最近の写真は異国のものばかりで懐かしさを感じる。この写真は、狭い路地裏にひっそりと佇む建物に入っていたカフェだ。自分が泊っているホテルから20分くらい歩いた場所にあった。若い女の店員さんで、現地の言葉で接客してくれた。すごく良い経験になると思いながらコーヒーを飲み、さわやかな香りがするレモンパイを食べた。一人で大変だろうなあと思っていたところに、二階から大男が降りてきてびっくりする。女の人と店番を代わる前に店をでた。
空き缶でしあわせ#72