空き缶でしあわせ#19
夕方に感じる不安と期待は
私は小学生の頃、夕方が苦手だった。小学校の地元ルールとして、17時の鐘が鳴ったら帰るというのが当たり前だった。17時になると、みんな自分の家の方に帰っていく。私もその中の1人だった。どこの両親もだと思うが時間を過ぎて帰ってこないと心配してくれていた。1時間も過ぎると探しに来てくれるくらい心配してくれていた。それが、自分の中の心配をかけてしまう罪悪感とか申し訳なさを形成してくれた気がする。
中学生になると、部活が始まり遅い時間に帰ることが多くなった。それでも暗くなってくるとどことなく不安が襲ってくる。友達に「帰巣本能だよ」と言われた時は、知らない言葉に戸惑った。意味を調べると、当たっている気がして恥ずかしくなった。その恥ずかしさをどうにかするために、なぜ不安かを考えこんだ時期もある。結果は、「暗くなってから変える手段がないから」である。車もないケータイもない、自力では変えることができない、そう思った。
大人になった現在、その不安は少しだけ軽減されている。不安が強くなるのは出張先で夜歩いている時とか、新幹線や飛行機に乗る前である。多分私は、自分の力で解決できない何かが絡んでくると不安が大きくなっていくのだ。中学校の自分はあながち間違っていなかった。
あと10年したらもっと不安が薄れていますように。