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特別支援教育における指示の工夫:ワーキングメモリーと注意力のサポート
特別支援学校教員のたにやんです。
指示をしっかりと伝えるためには、全部聞かせようとする必要はないと考えています。具体的には聞くべきところと聞かなくて良いところを明確に分けてあげることが大切です。
ワーキングメモリーが低く、集中力を維持したり必要な情報だけをとることが苦手な特別支援学校高等部知的部門の生徒たちが多くいます。あとは、真面目なので全部聞こうとします。そうすると聞くだけでいっぱいいっぱいです。すべて聞かせようとしないことがポイントだと思います。役割を分けて自分が注意深く聞くべき内容を示すことでどの情報に指示を向ければよいか情報を整理してあげることが重要です。そして、最後に情報をまとめて振り返ることが大切です。
◯注意課題とワーキングメモリ課題の関連性
ワーキングメモリーと注意には関連があるようです。
2019年の研究では、注意課題とワーキングメモリ課題をミックスした課題を行うことで、これらの関連性が検討されました。ワーキングメモリ課題のスコアが低下しているタイミングでは、注意課題のスコアも低下していることが明らかになりました。
ADHD(注意欠陥多動性障害)の患者は、健常者に比べてワーキングメモリ能力が有意に低下していることが確認されています。これに関連する脳活動も検討され、注意機能とワーキングメモリの関連性が示唆されています。
ワーキングメモリーの低さと注意機能が関連していることから、情報量をいかに少なく、かつ分かりやすく伝えることが大切だということがわかります。
指示の出し方で簡潔に短くいうことが大切だと言われる所以だと思います。
◯効果的な指示の工夫
ここでは、指示を保持しやすくための具体的な工夫について述べます。
例えば、役割を分けて自分が注意深く聞くべき内容を示す方法や、情報を整理してあげる重要性について詳しく説明します。また、すべての情報を一度に伝えないことの利点についても触れます。
・情報の振り返りとまとめ
最後に、情報をまとめて振り返ることの重要性について述べます。指示が流れていく中で聞いた情報が消えていくことを防ぐための具体的な方法や、振り返りのタイミングと方法について提案します。実際の教育現場での実践例を交えながら、効果的な振り返りの方法を紹介します。