集中力を高めるための導入〜ビジョントレーニング・ライフキネティック〜
通級の指導は基本的に1時間行います。
私の場合は導入の10分でビジョントレーニングや体を動かすことを行います。
この目的はメインの活動に注意集中を高めて取り組んでもらうためです。
ウォーミングアップのようなイメージです。
過度な緊張感を与えるわけではなく、リラックスした状態でもいいので脳が活性化している状態を目指します。
そうすることで、活動に注意を向けて取り組むことができるのです。
メインの活動は個々に寄りますが、課題となる面や強みの強化を行います。
そういったメインの活動前に体を動かすことで、注意集中を高めることができます。
ただ、運動と言っても簡単すぎたり、面白くないと効果は得られません。
導入部分の運動にもある程度の難易度と子供たちがやりたくなるゲーム性が重要となります
〇運動がもたらす脳の活性化
・ビジョントレーニングの効果
目を動かすことで前頭前野という脳の部位が活性化します。
前頭前野には注意集中や意欲の喚起、気持のコントロールなど様々な機能があります。
ビジョントレーニングは視機能の向上だけでなく前頭前野にかかわる機能の向上にも効果が得られます。
・運動が脳に与える効果
運動がもたらす脳への好影響については下記の記事で詳しく書かれています。
注意集中が高まる理由や情緒の安定にもつながる背景なども詳しく記されていてとてもわかりやすいです。
脳の観点から見ても運動はだれに対しても共通して効果があります。
ただ走るだけや筋トレが好きでない人にとっては意欲を喚起できず逆効果かもしれません。
ある程度のゲーム性や動きを少し複雑にしてすぐにできないようにする工夫などが必要です。
〇子供が楽しく取り組めている活動
〜結果の可視化=モチベーション、自尊心UP〜
・ライフキネティック
ドイツ発祥の認知と運動と知覚を組み合わせたエクササイズです。
小さい子供からお年寄りまで幅広い年齢層でできるエクササイズです。もちろん難易度は調節できるので、トップアスリートでも効果が得られます。運動面、認知機能、脳と身体のコーディネートなど様々な効果が得られます。エクササイズ内容も自由度が高く、難易度や内容の調整が自由にできるため飽きないための内容づくりは永遠にできます。
実際に生徒と取り組むと普段は見られない集中力を発揮してくれました。しかも、そのときだけでなくその後の活動でも集中力を維持して取り組むことができました。
・機材を用いたビジョントレーニング
ビジョントレーニングでは最初に目の体操を行います。ペンの先を目だけで追いかけてもらう追従性眼球運動と2本のペンを交互に見てもらう跳躍性眼球運動を実施してもらいます。そうすることで目を動きにくい方向や癖がわかると同時にそういった癖が緩和されます。
その後、REAXTIONというビジョントレーニングの機材を用いてビジョントレーニングを行います。
REAXTIONのURLは下記に貼り付けます。
こちらの機材は1種類だけでなく多数のトレーニングメニューがアプリから選択できます。
また、速度や数を調整できるため、難易度を調整できます。生徒のレベルに応じてトレーニング内容を自由自在に調整が可能です。
結果が可視化できて、モチベーションの維持が容易です。
個々の記録をアプリに保存できるため、記録の経過が確認できます。成長といった目に見えにくいものを可視化することで、成長が実感しやすくなります。
目に見えないものや曖昧なものを把握しづらい子供たちにとってはとても有効です。
〇『運動→メイン活動』で注意力と自尊心を育てる
・注意を維持しやすい
運動を行った後は活動に中を向けて取り組める時間が長くなりました。運動を行わずにメイン活動に移ると注意があちこちらにそれやすく落ち着いて活動ができないことが多いです。また、運動により情緒が安定するため、落ち着いて活動に取り組めている印象です。
注意が逸れやすい生徒については、導入部だけでなく、適度に運動を挟みながら活動を行っています。そうすることで注意を維持することができます。
・「できた」の成功体験
エクササイズでは、課題を与えてできたという体験も大切にしています。すぐにできるとうれしさを感じにくいので、すぐにはできないが集中して取り組むことでできる難易度を意識して活動内容を設定しています。
そうすることで、頑張った結果できたという成功体験により自尊心の向上にも好影響を与えることができていると感じます。
不器用な生徒もビジョントレーニングの器具を使ったトレーニングは難易度の調整もできますし、明らかにできなかったということはないので苦手意識を持ちにくいです。
運動はメインの活動のためのウォーキングアップの位置付けではありますが、認知機能や情緒面にも効果をもたらします。
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