暴言・暴力が絶えない子供に足りないもの…
嫌なことがあったりすると『バカ』『死ね』や手が出てしまうなど暴言・暴力が衝動的に出てしまう子供さんはいないでしょうか?
そんな子供にどのような対応をしていますか?
なぜ、子供は暴力や暴言が出てしまうのでしょうか?
背景はさまざまなありますが、圧倒的に足りていない可能性が高いものがあります。
◯言葉が足りていない
語彙量が足りていないことが大きな要因だと考えられます。使いこなせる言葉が少ないことで、暴言や暴力で嫌な思いや不安な感情を表現している可能性があります。
大抵、覚えてほしくない言葉はよく覚えています。
語彙量が少ない要因として言葉への興味がない。
家庭での親からの言葉掛けが少ない。
知的レベルが低くに言葉の理解や獲得が難しい
背景には様々なものがあります。
仮に日本語という言語を獲得した我々がアメリカに行ったとします。しかし、英語は話せません。その時に私たちは身振り手振りや知っている英単語でコミュニケーションを図ろうとします。
こういったアクションが打てるのは、すでに日本語という一つの言語を獲得しているからです。日本語を元に非言語なのか、拙い英語という言語で表現しようとします。
子供は軸となる言語を一つも獲得していないのです。だからこそイメージや感じていることを言葉として理解できないのです。
だからこそ、ネガティブな感情を感じた時に言葉で伝えられず、どうしていいか分からず暴言や暴力になってしまうのです。
言葉で伝えられる経験を積み重ねることで問題対処力も身についてきますので、パニックになって暴言を吐いたりすることは減っていくはずです。
◯子どもが小さいうちは絵本が有効
子供達は絵本が好きです。絵本という好きなものから言葉への興味を持たせていくことが大切です。
小さいうちは子供を抱っこしながら絵本の読み聞かせをすることで親子の愛着形成や子供の触感覚の識別能力を高めることに繋がります。
言葉に興味を持たせることにより、楽しみにながら言葉を習得していきます。言葉を習得すれば他者とのやり取りや遊びを楽しむことができます。
また、触感覚を育てていくことは人との距離感を適切に図れたり、こだわりを和らげたり、対人関係の面でもとても有効です。
◯抑制機能が育っていない
人間には理性があります。本能的にしたいと思ったことも状況を考えて思いとどまることができます。
そういった抑制機能は前頭前野の一部にあります。そういった機能を伸ばすためには前頭前野のトレーニングも大切です。
抑制機能を司る部位にはワーキングメモリー機能も関連しています。
ですから、ワーキングメモリー機能を育めるようなトレーニングも有効です。
◯家庭でも抑圧的な育てられ方をしている
躾と称して厳しすぎる親御さんが子供を育てている場合に、家庭と学校での様子に乖離が見られます。学校では問題行動が目立つが、家ではおとなしくて良い子ということがあります。
親に抑圧されている家では我慢して、溜まったフラストレーションを学校で発散しているのです。
学校では力で抑えつけることはできるかもしれません。しかし、学年が上がるにつれて抑圧に必要な力は増えます。
抑圧によった押さえつけていたものは年々増大しますので、小学校高学年、中学生となれば問題行動のレベルも悪化していきます。
なので、力で抑えつけるのは問題を先送りにするとともに表出する問題のサイズを大きくしているのです。
なので、子どもが暴言を発した時に抑圧するのではなく、個別に話を聞き共感してあげることが大切です。
その上で、伝えたいことを伝えるために適切な言葉の使い方をレクチャーしてあげることが大切です。
暴力の場合は相手を傷つけるので、止めなければなりません。そして、やってはいけないことはきっちりと伝えなければなりません。
その時も、感情的に怒るのみだと怒られたということだけが残り大切な内容が残りません。
また、感情的に怒るということは興奮している子供にさらに刺激を入力することになり、落ち着きようがありません。
ですから、冷静に無表情で淡々と伝えなければなりません。
子供の行動にフォーカスして対処していると抑圧するしかありません。
家庭の状況や子供との対話、子供の行動分析を行うことで背景や対処が見えてきます。
見えるものだけでなく知識を深め、集められる情報を集めてアセスメントすることが大切です。