Masanobu Kikuchi
本を読んで学んだこと、考えたことを書いていきます。
2024年8月、エジンバラ大学大学院のプログラムを修了した。AIリスクとガバナンスについて学びを深めた1年間であったため、その振り返りを行い、これからエジンバラ大学に留学する方や、社会科学の観点からAIリスクに関する研究を行いたいという方に参考にしていただきたい。 留学の動機 大学院進学を目指した主な理由は、デジタルテクノロジー、特にAIの社会的リスクについての理解を深めるためであった。事業会社やコンサルティングファームでデータ分析・AI活用のプロジェクトを担当し、その影
こんにちは!エジンバラ大学大学院在学中の菊地です。 2024年5月22~25日の間、フランスのパリでテクノロジーとスタートアップに特化したヨーロッパ最大級のカンファレンスViva Technologyが開催されていました。 今年は日本がCountry of the Yearであり、日本初のスタートアップも多く参加していました。私は特にResponsible AI等に関連したセッションに参加してきたので、セッションの内容を紹介します。 Embracing Responsib
こんにちは!エジンバラ大学大学院在学中の菊地です。 大学院ではAIリスク・AI倫理等を中心にデジタル社会学を学んでいます。このブログでは、大学院の学びについて書いていきます。 今回はテクノロジーが社会課題を解決するという信念を持つ、技術解決主義とその問題点について考察していきます。 2023年11月17日、OpenAIのCEOであるサミュエル・アルトマン氏が、ステークホルダーへの透明性の欠如を理由に取締役会によって解任された。この出来事は、技術の急速な進歩と企業における技術
ChatGPT等の生成AIがビジネスや日常生活で利用され、ますますAIは日常生活の中に一体化しつつある。同時に、その使用に伴うリスクも浮き彫りになっている。誤情報の拡散、バイアスの再生産と固定化、プライバシーや著作権侵害に関するリスクなどは、今現在私たちが取り組まなければならない課題である。これらの問題に対して、どのような指針で私たちは解決策を検討し、構築していくべきだろうか。その指針を示すのがAI倫理である。一方、近年は多くの研究機関や企業が独自にAI倫理を策定しており、A
はじめに大学院留学中、スコットランドで盲腸のため手術と入院を経験した。救急医療の利用方法、GP登録をしていない状況での入院と手術、医療費免除の申請、大学へのSpecial Circumstanceの申請等は他の人々にも参考になるかと思い、備忘録として残す。 急な腹痛とスコットランドでの入院2023年10月24日の夜、激しい腹痛があり、眠ることができなかった。普段は寝付きがいいので不安になり、午前3時頃に111に電話した。111は緊急時の医療アドバイスを提供する窓口。電話はす
2023年9月からイギリスのエジンバラ大学院に進学することになりました。大学院ではDigital Sociologyを専攻し、AIのリスクやガバナンスについて学ぶ予定です。 このnoteでは社会人6年目でエジンバラ大学院に進学することにした理由や研究する分野の紹介をしています。 なぜ大学院進学か私はテクノロジーの社会実装に関心があり、現在はコンサルティングファームとNPOで兼業しています。 コンサルティングファームではData & Analyticsチームに所属し、企業に