![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173189226/rectangle_large_type_2_a20163d053d1eba68d7c9f610af03702.jpeg?width=1200)
犬の膵炎について:獣医師からの重要なお知らせ
膵炎は、犬にとって非常に苦痛で時には命に関わる病気です。愛犬の健康を守るために、膵炎の症状、原因、治療法、予防策について詳しくご説明します。
主な症状
膵炎の症状は急性と慢性で異なる場合がありますが、一般的には食欲不振、嘔吐、下痢(時には血便を伴うこともあります)、腹部の痛み、元気消失、脱水症状といったサインが見られます。犬は腹部の痛みを感じると背中を丸めた姿勢を取ることがあります。
原因
膵炎の原因は多岐にわたり、高脂肪の食事、肥満、特定の薬剤(例えば抗生物質、利尿剤、抗てんかん薬など)、ホルモン異常(糖尿病、甲状腺機能低下症)、および遺伝的要因が関与しています。特にミニチュア・シュナウザーなどの犬種は膵炎を発症しやすい傾向があります。
診断方法
膵炎の診断には身体検査での腹部の痛みや脱水の有無の確認、血液検査による膵特異的リパーゼ(Spec cPL)の測定、そして超音波検査による膵臓の腫れや炎症の確認が行われます。
治療法
膵炎の治療は迅速な対応が重要です。まず、脱水症状を改善し膵臓への血流を維持するために静脈内輸液療法が行われます。痛みの管理にはブプレノルフィンやフェンタニルといった鎮痛剤が使用されます。嘔吐が続く場合にはメトクロプラミドやオンダンセトロンなどの抗吐薬、胃酸過多を抑えるためにはファモチジンやオメプラゾールといった消化管保護剤が処方されることがあります。
食事管理も重要で、初期には絶食が推奨される場合もありますが、最近では早期の低脂肪食再開が推奨されています。消化に優しく、低脂肪で高消化性のフードを少量ずつ与えることで回復を促します。重症例では入院治療が必要となり、感染症のリスクがある場合には抗生物質が投与されることもあります。
予防と管理のポイント
膵炎の予防には、高脂肪の食事を避け、適正体重を維持することが重要です。特に人間の食べ物を与えないよう注意し、定期的な健康チェックを受けることで早期発見と早期治療が可能となります。
飼い主さんへ
膵炎は早期発見と迅速な治療が鍵となる病気です。愛犬の異変に気づいたら、すぐに動物病院にご相談ください。適切なケアと予防で、愛犬の健康を守りましょう。