現代アート「My fair prisoners!?3」の宇多田ヒカルちゃんの母、藤圭子さんの調書とエッセイ※全文掲載
この方は、日本の有名なシンガーソングライターの女性の母親です。娘さんは「Automatic」の作者です。宇多田ヒカルさんのお母さんの藤圭子さんです。
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My Fair Prisoners!?調書
囚人番号:20170907200823
名前:光(ひかり)
懲役:62年
服役した刑務所:岩手県一関市
音楽:演歌、「与作」
映画:若大将シリーズ
本:「人間の証明/森村誠一」
罪:友達だった女友達を池に落としたこと
喜:子供の誕生。レコードデビュー出来た事。
怒:マスコミの態度
哀:誰も私の気持ちを理解してくれないのではと思ったこと
楽:子供の成長
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「光(ひかり)」さん
幼い頃、浪曲師の両親に連れられて、日本全国を旅出来た事は楽しかったし、
自分も歌手になるものだと決めていた。友達付き合いは苦手で、いつも独りでいた。
高校に行きたかったが、親の経済状況を考え、断念した事は悲しかった。その代わり、早くレコードデビューが決まり、本当に嬉しかった。いわゆるどさ回りは本当に大変だった。現実と夢の間で、けっこう苦しんた。
「圭子の夢は夜ひらく」のヒットは、人生で一番嬉しかった。このために産まれたと言っていいほどだったが、その後ヒットに恵まれず、それが自分に自信を持てない理由となった。
娘の光の名前は、自分の眼の病気が原因で、娘とともに光を失いたくない想いで、「光(ひかり)」と命名した。本当に可愛かった。成績優秀で、本当に私の娘だろうかと思うほどだった。 光との時間は素晴らしかった。音楽の才能に秀でていて、娘は歌手になれると早々に思った。 旦那には感謝している。二回目の結婚だが、一回目の結婚は、結婚に浮かれ過ぎて失敗してしまった。前川清さんには申し訳ないお想いで一杯。
自死を考えるようになったのは、目の病気が切っ掛け。目の病気さえなければ、娘の結婚式に出れたのにと、それは本当に悔やんでいる。
今「光」は、娘光(ひかり)の結婚式の映像を観る事を心待ちにしている。(了)
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※この方も刑期を終えました。
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