【読書録118】致知2024年3月号「丹田常充実」感想
致知の感想をnoteに書いて、今回が30回目となる。
本号の特集は、「丹田常充実」。
立腰の重要性はおおいに理解しているつもりであるが、姿勢の悪さは、本当に修正出来ないでいる。丹田に気を入れた時の爽快感、充実感は実感しているが、なかなか継続しない。これを機に何とか改めたいところである。
総リード 丹田常充実
坂村真民先生の「光る」というタイトルの詩で始まる。
「丹田に気力が充実していなければ、こういう詩は書けない」というが、本当に美しく、力強い詩である。
そして、続けて、今までに致知に登場してきた丹田に気力が充実している方々の言葉を取り上げる。
文面から、気力が満ち溢れている方々ばかりである。
真珠王と言われた御木本幸吉の言葉
百歳の時に三十年分の仕事の材料を買い込んでいたという彫刻家・平櫛田中の言葉
そして、浅野総一郎の言葉
アラフィフ世代の私にとっての、大いなる檄である。
まだまだ人生折り返し地点。毎年毎年、新たな挑戦をして行きたい。
ソーシャルビジネスで世界を変える
副題は、「業界を牽引するリーダーに学ぶ将の器、志の磨き方」。
サラヤの更家悠介社長と、ユーグレナの出雲充社長の対談記事。
タイトルの通り、ご両名とも、ソーシャルビジネスの先駆者である。記事を読んでお二人の芯の強さ、志の高さを感じる。
本業のビジネスを通じて、社会課題を解決し、持続可能な社会を目指す。
最近は、よく聞くが、先駆者として取り組むことには、色々と困難もあったはずだ。
その点について、お二人は、理念の重要性を説く。
更家社長は、こう言う。
それを受けて、出雲社長。
しっかりとした軸、とりわけ、社会課題解決という振り切った軸を設定するに当たり、お二人の信念となっているのは、持続可能性という面に関してはビジネスのほうが優れている面が多いということ。
また人類が、このままのペースで生活を続けていれば、いずれ地球に人が住めなくなるという危機意識である。
そのような信念を持つにいたるには、お二人の東洋古典をベースとした修養により器を磨いていることにあると思われる。
この記事を読んで一番の発見が、出雲社長が、座禅をしたり、東洋思想を深く学ばれていることであった。
東洋思想家の田口佳史氏に師事しているといい、三大修養法を紹介する。
継続して学ぶ習慣をつけているという出雲社長。見習いたいものである。
一方の、更家社長も、大学や論語などからの引用が発言とし出てくるなど、東洋思想への造詣が深い。
印象的なのは、以下の部分。
自分なりの座標軸を持つこと、人にどう思われようと、行動すること。とても重要である。立腰すなわち、「丹田常充実」の精神が基本であることを改めて学ばされた対談記事であった。
志の高さには気の充実が必須であり、東洋思想を中心に深く学び続け、現実の中で実践し続けないと、その志の高さは保てないと思う。そのためには、立腰により、気力を充実させることが一番の基本なのであろう。私も実践して行きたい。
人生、仕事の根本は「氣」にあり
野球評論家の廣岡達郎氏と、氏が若いころより稽古に励んだ心身統一氣道の会の会長である藤平信一氏の対談記事。
スポーツの世界における、「氣」の充実、その為の立腰の重要性。今まで、廣岡氏の考え方に触れる機会がなかったので、なかなか面白かった。そして何より、九十二歳を迎える氏の気力に圧倒された。
廣岡氏の言葉で印象に残った箇所。
「氣」を出すこと。それこそ、丹田常充実なのであるが、藤平氏は、こう語る。
緊張した時には、掌に人の字を書くなど言うが、丹田を充実させた方が、威力がありそうである。しかしそれは、習慣化しておかないといけない。それこそ、まさに丹田常充実なのであろう。
そして、廣岡氏の言葉で一番、印象に残ったのが「何事も考え方一つ」ということ。
その人なりの「生き方」って本当に大事だと思う。
他人の目を気にせず、自分らしく、自分の人生くらいは、自分で決める。
軸を定めるのに、立腰、丹田常充実って本当、大切だなあと思う。