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【読書録100】「森信三 運命をひらく365の金言」8月編
「森信三 運命をひらく365の金言」(致知出版社)を毎朝読むことを日課にしている。
今回は、8月の中で特に自分のなかで気に入ったものについて取り上げる。
8月3日 朽ち果てる者の論理
人間というものは、現在自分の当面している仕事をまず片付けて、しかるのち、余力があったら、自分の根底を養うような修養をすべきでしょう。
まずは、目の前の課題を片づけていく。これが生きていく上での基盤であることを教えてくれる。崇高な事を考えていても、目の前の現実を変えられなければ意味がない。そんな風に考えた。
われわれ人間が、一つの道理をほんとうにつかむということは、単に書物を読んでこれを知ったとか、あるいは頭の中で考えて会得したとかいう程度のことでは、真実には得られないのであって、そのためには、どうしても深刻な現実の実事に当面することによってのみ、初めて真にわが物となるのです。
頭で理解することと実際にやることの差異は大きい。実行すること行動する事、現実でもがくこと。それこそが生きていることなのである。
8月4日 全力を傾けることの意義
人が真に自分を鍛え上げるには、現在自分の当面している仕事に対して、その仕事の価値いかんを問わず、とにかく全力を挙げてこれにあたり、一気にこれを仕上げるという態度が大切です。
そしてこの際肝要なことは、仕事のいかんは問題ではなくて、これに対する自分の態度いかんという点です。
全力を挙げる。これは、8月3日と重なる。
それに加えて、「一気にこれを仕上げるという態度」という点に共感する。
仕事や課題を放置せず、doneする。これは、本当その通りだなあ。
それこそ自分を鍛え上げることに繋がるというのも、心したい。中途半端で終わりにしたのでは、自分の成長に繋がらない。
8月11日 生き方の根本信条
森信三先生の文章を読んでいると本当にしゃきっとする。腰骨を立てたくなる。また元気がでる。その典型が、この日の文章である。
天分や素質に心を奪われて歎くよりも、自己に与えられたものを、ギリギリまで発揮実現することに全力を尽くすことこそ、より大事ではないでしょうか。わたくしは100の能力の人が80の力を発揮するよりも、80の能力の人が全力投球で80の成果をあげる人の方に絶大な敬意を表したいと思います。
全力をつくしてこそ、自分の能力を伸ばすことができるのである。
とにかく人間は自己に与えられたものを十二分に生かして発揮し実現することこそ、人間の生き方の根本信条でなければならぬと思うのであります。
「人間の生き方の根本信条」とまで言い切るが、本当に大事だ。天分や素質に眼が行きがちな若い時代が過ぎ、素直にこの言葉を受け入れられるようになった。
8月13日 仕事を果たす最大の秘訣
森先生は、仕事の秘訣を、まずは優先順位をつけることだという。
そうなのであるが、困難なのはその先だという。
自分が現在なさねばならぬと分かった事をするために、それ以外の一切の事は、一時思いきってふり捨てるということです。
重要なことに集中する。その精神は、やれそうでなかなかできないことだ。
しかし仕事を果たす最大の秘訣として、こころに刻み込みたい。
8月28日 尊敬と進歩
この日は、たった二行である。しかしその二行が重い。
尊敬するものがなくなった時、その人の進歩は止まる。
年とともに尊敬するものが、はっきりして来るようでなければ、人間は大成はしない。
年を取ると、自分のダメなところを指摘してくれる機会が少なくなってくる。そう考えると、己を律することが重要になってくる。敬するものをもった方が、己を律することができ、また進歩に繋がるであろう。
森先生の本は、人生を伴走してくれる存在としても重要だ。