海空 夜

仕事の傍ら、細々と執筆活動を行っています。他にもエブリスタでも同名で作品を投稿してます…

海空 夜

仕事の傍ら、細々と執筆活動を行っています。他にもエブリスタでも同名で作品を投稿してます。作家志望の方はもちろん、色々なジャンルの方と知り合いになれたらと思ってますので、よれけば絡んでくださいm(_ _)m

記事一覧

1月29日

誰もいない暗闇を一台の車が駆け抜ける。
不気味なトンネルを抜けた先には、夜の湖が待っていた。
星空はささやかに輝き、夜の味を一層引き立てていた。

海空  夜
7年前

1月16日

冬の冷えた風が風呂でのぼせた体をなでる。
外は暗く周りには人の気配すらない。
寂しさをまとう空間の中に、僕はどこか安らぎを覚えていた。

海空  夜
7年前

1月11日

冬の空気は寒々しく、体を貫く風はより心細さを引き立てる。
一方空だけは広々と自由に澄み渡っている。
その空にひかれ、心がここでないどこか遠くへ飛んでいく。

海空  夜
7年前

1月10日

目が覚めるといつも通りの現実が待ち受けていた。
いつか夢でみた、自由に崩壊した世界はそこにはない。
今日も世界は無情に回り続けていた。

海空  夜
7年前

1月9日

電車の外から薄暗い世界が顔を出している。
その薄暗い世界が、己の心を体現しているようで嫌気がさす。
そんな僕の気持ちに構うことなく、電車は先へと走り続ける。

海空  夜
7年前

1月8日

貴重な1日が、惰眠により消化されていく。
起きたい気持ちとは裏腹に、体は眠りの淵をさ迷い歩いている。
目覚めても外を濡らす雨が、家から出る意欲を奪っていく。

海空  夜
7年前

1月6日

澄み渡る青空が、心地よい冬の陽ざしをつれてくる。
空気は透き通り体は冷たい北風が受け止める。
自由に満ち溢れた空間に身をおき、一時の自由を楽しむ。

海空  夜
7年前

1月5日

気がつけば意識は飛び、目覚めると朝がそこにいた。
時計を見て、ようやく己の過ちを自覚する。
その気持ちに構うことなく、朝日は心地よく輝いていた。

海空  夜
7年前

1月3日

3行小説
人がいない夜道は、静寂さを孕んでいた。
音は闇に吸い込まれ、静かに消えていく。
その中に身を置き、己の存在そのものが暗闇に溶け込んでいく。

海空  夜
7年前

季節の匂い

春 桜並木に囲まれた一本道。僕は一人大学に向かって歩いている。桜並木の隙間からは、桜色とは対極的な青色が顔を出していた。その交わることのない二色は不思議なバラン…

海空  夜
7年前
1

1月2日

3行小説
薄暗い部屋の中には雨の規則的な音だけが反響している。
その規則的な音は、体の力を自然と削ぎ落としていく。
気がつけば意識は微睡み、夢と現実の境界が混ざり合う。

海空  夜
7年前
1

1月1日

3行小説
雲の隙間から茜色の光がこぼれ出す。
完全ではない光は、かえってその光の美しさを際立てていた。
その光にこれからの誓いを立てる。

海空  夜
7年前
1

12月31日

殺風景な温かみのある山景色を無心に眺める。
景色を見ているようで瞳の奥にはそれ以外のものが映っている。
その目には去りゆく1年が走馬灯のように駆けていた。

海空  夜
7年前
1

12月30日

3行小説
流れゆく景色を虚ろに眺める。
景色ではなく、あの日の君の顔だけが浮かんでしまう。
あの日の間違えを精算するため、僕は今ここにいる。

海空  夜
7年前
1

猫の目

「ちょっと陸斗、こんな時間にどこ行くの!」 普通の家なら寝静まってるだろう時間に場違いに大きな声が響いてくる。 「暇だから散歩してくるだけだよ。なんも悪い事なん…

海空  夜
8年前
1

1月29日

誰もいない暗闇を一台の車が駆け抜ける。
不気味なトンネルを抜けた先には、夜の湖が待っていた。
星空はささやかに輝き、夜の味を一層引き立てていた。

1月16日

冬の冷えた風が風呂でのぼせた体をなでる。
外は暗く周りには人の気配すらない。
寂しさをまとう空間の中に、僕はどこか安らぎを覚えていた。

1月11日

冬の空気は寒々しく、体を貫く風はより心細さを引き立てる。
一方空だけは広々と自由に澄み渡っている。
その空にひかれ、心がここでないどこか遠くへ飛んでいく。

1月10日

目が覚めるといつも通りの現実が待ち受けていた。
いつか夢でみた、自由に崩壊した世界はそこにはない。
今日も世界は無情に回り続けていた。

1月9日

電車の外から薄暗い世界が顔を出している。
その薄暗い世界が、己の心を体現しているようで嫌気がさす。
そんな僕の気持ちに構うことなく、電車は先へと走り続ける。

1月8日

貴重な1日が、惰眠により消化されていく。
起きたい気持ちとは裏腹に、体は眠りの淵をさ迷い歩いている。
目覚めても外を濡らす雨が、家から出る意欲を奪っていく。

1月6日

澄み渡る青空が、心地よい冬の陽ざしをつれてくる。
空気は透き通り体は冷たい北風が受け止める。
自由に満ち溢れた空間に身をおき、一時の自由を楽しむ。

1月5日

気がつけば意識は飛び、目覚めると朝がそこにいた。
時計を見て、ようやく己の過ちを自覚する。
その気持ちに構うことなく、朝日は心地よく輝いていた。

1月3日

3行小説
人がいない夜道は、静寂さを孕んでいた。
音は闇に吸い込まれ、静かに消えていく。
その中に身を置き、己の存在そのものが暗闇に溶け込んでいく。

季節の匂い



桜並木に囲まれた一本道。僕は一人大学に向かって歩いている。桜並木の隙間からは、桜色とは対極的な青色が顔を出していた。その交わることのない二色は不思議なバランスを見せながら、通る人々の目を奪っている。桜のピークが過ぎているのか、風にあおられるたびに桜の花びらが散ってゆく。その儚い散り方は一季節前の雪を思わせ、周りを幻想的な空間へと引き立てていた。

そんな鮮やかな空間の中で、僕は君に出会った。

もっとみる

1月2日

3行小説
薄暗い部屋の中には雨の規則的な音だけが反響している。
その規則的な音は、体の力を自然と削ぎ落としていく。
気がつけば意識は微睡み、夢と現実の境界が混ざり合う。

1月1日

3行小説
雲の隙間から茜色の光がこぼれ出す。
完全ではない光は、かえってその光の美しさを際立てていた。
その光にこれからの誓いを立てる。

12月31日

殺風景な温かみのある山景色を無心に眺める。
景色を見ているようで瞳の奥にはそれ以外のものが映っている。
その目には去りゆく1年が走馬灯のように駆けていた。

12月30日

3行小説
流れゆく景色を虚ろに眺める。
景色ではなく、あの日の君の顔だけが浮かんでしまう。
あの日の間違えを精算するため、僕は今ここにいる。

猫の目

「ちょっと陸斗、こんな時間にどこ行くの!」

普通の家なら寝静まってるだろう時間に場違いに大きな声が響いてくる。

「暇だから散歩してくるだけだよ。なんも悪い事なんてしないよ」

母親の説教を受け流すように緩い口調で話ながら家を出て行く。

「もう勝手にしなさい」

母親が呆れたように言ったが陸斗は既に家には居なかった。

外に出てみれば街灯と月の灯りがぼんやりと道を照らしている。

当然人は居な

もっとみる