記事一覧
1月2日
3行小説
薄暗い部屋の中には雨の規則的な音だけが反響している。
その規則的な音は、体の力を自然と削ぎ落としていく。
気がつけば意識は微睡み、夢と現実の境界が混ざり合う。
1月1日
3行小説
雲の隙間から茜色の光がこぼれ出す。
完全ではない光は、かえってその光の美しさを際立てていた。
その光にこれからの誓いを立てる。
12月31日
殺風景な温かみのある山景色を無心に眺める。
景色を見ているようで瞳の奥にはそれ以外のものが映っている。
その目には去りゆく1年が走馬灯のように駆けていた。
12月30日
3行小説
流れゆく景色を虚ろに眺める。
景色ではなく、あの日の君の顔だけが浮かんでしまう。
あの日の間違えを精算するため、僕は今ここにいる。