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【日々是光日】#5 放射状雲
向こうの地平から放射状に広がって見える雲。放射状雲だ。放射状雲を見る時、なんだか心が沸き立つような感覚になるのは何故だろう?
さて、この時見えていた雲は、上空を西に向かう飛行機が残した飛行機雲。実際には上空から地平に向かって平行に並んでいるはずなのだけれども、遠近の錯覚で、いかにも地表から放射されているように見えてしまう。
どうしてこんな錯覚が起こるのか?
人間の目は、数m位の距離であれば目の焦点調整を行う。脳はそれを察知しているので、景色と距離は連動している。しかし、10m位を超えてしまうと、それより遠い景色は全て無限遠の焦点となる。目の焦点調整をしないので、その信号を距離測定に使うことはできない。上の写真のような景色を見るとき、僕たちにとっては雲が出ている空は地平に聳え立つ壁と同じだ。実際には遠近の効果で、より遠くがすぼまって見えているだけなのに、僕たちはその雲を放射状に広がっていると感じてしまうのだ。雲だけではなく、光の筋が空から放射状に差し込む光芒だって同じだ。
そんなことを頭でわかっているつもりなのだけれども、やっぱりこんな雲が出ていると空に向かって広がるように見えてしまう。まあ、それによって心が沸き立つ感覚を持つことができるのだから、錯覚も悪くはない。