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【日々是光日】#4 アスファルトはなぜ色褪せるのだろう?

子供の頃、アスファルトは敷いたすぐ後には真っ黒なのに、月日が経つとなぜ色褪せて灰色になってしまうのだろうと、不思議に思っていた。アスファルト自体は炭素化合物の黒い液体で、これに骨材として小石や砂利を混ぜて敷いたものが、僕たちがアスファルトの道路と呼んでいるものだ。

敷いた直後は骨材表面にもアスファルトが付着しているから真っ黒に見えるのだけれども、再表面ではアスファルトが次第に剥がれて、骨材自体が見えてくるために黒が薄くなるのだろうか。

ところで、色褪せたアスファルトの道路に水を垂らしてみると、濡れた部分が黒く見える。もちろん、水膜ができて正反射が増え、散乱光が小さくなるという効果もあるが、境目の、水が完全にしみこんだ部分だって黒い。油がしみこんでも同じことが起こるに違いない。

このことから、アスファルトの色褪せには、もしかしたら、気泡のような小さな穴を埋めていたアスファルトの油分が蒸発してしまい、小さな空洞がいっぱいできて、光を表面にたくさん散乱するようになることも絡んでいるのかもしれないな、などとも考えてしまう。

地味だけれども、光の見え方を考える上では重要な現象のような気がする。

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