【日々是光日】#3 雨滴のマルチバース
雨の日の外出だ。新幹線の窓にはたくさんの雨滴が。
窓の向こうの景色は上(空)が明るく、下が暗いのだけれども、雨滴はどれも下が明るく上が暗い。よく見てみれば、全ての雨滴には向こうのビルの景色が逆さまに映っている。一つ一つの雨滴がレンズになって、向こうの景色をこちらに投影しているのだ。それぞれの雨滴の形には個性があるので、見える景色も少しずつ異なっている。左側の繋がって流れる雨だれには、なんだか不思議な光景が映っている。まるで雨滴たちがマルチバースを作っているようで、眺めていて飽きることはない。
僕たちの周りには、こんな光の贈り物が満ち溢れているのである。