「世界に一つだけの花」論争
好きなまんがの一つに「ドラゴン桜」がある。高校生の時に夢中で読んでいた。
「とにかく勉強しないと!」というやる気が出てくる素晴らしい漫画だ。
個性豊かな先生たちが様々な名言を残している。
どれも好きな言葉たちだが一つだけ引っかかった言葉がある。
桜木先生の
「ナンバーワンにならなくていい、オンリーワンになれだぁ?ふざけるな。オンリーワンていうのは、その分野のエキスパート、ナンバーワンのことだろうが。」
という言葉である。SMAPの「世界に一つだけの花」をディスっている。
当時は読みながら、「うんうん」と何となく納得しながら読み進めていたが、最近少し違和感を感じ始めた。
桜木先生が言わんとしていることは分かる。てか、別に間違ったことは言ってない。
さらにネットで調べていくと、結構この曲に対し違和感を感じているようである。
歌詞が矛盾してるだの、SMAPが歌うから胡散臭いだの、なんやかんや……
まあ、あれだけ有名な曲だからそりゃ、アンチが出てくるのは至極当然の事なんだけども
少なくとも僕は、そもそも、そういった批判的な意見と、本来の歌詞の意味(伝えたかった事)の土俵が違うように感じる。
「歌詞が矛盾してるじゃねえか!」とか「弱者に対する慰めの歌か!」って言ってる人はそういう捉え方をしているけれど、
僕の解釈としては
「価値観の多様性」と「自分を信じて進め」という前向きな歌詞として捉えている。
決して「慰め」でもなければ、「みんな仲良しこよしでいきましょうね」という甘い考えではないと思う。
むしろ「みんなそれぞれの武器を持っているんだ。いろんな考え方、価値観を持っているんだ。周りに惑わされるな。流されるな。自分が信じた道に向かって突き進め。」と言っている(と思う。)
だから桜木先生の「ナンバーワンにならなくていい、オンリーワンになれだぁ?ふざけるな。オンリーワンていうのは、その分野のエキスパート、
ナンバーワンのことだろうが。」
っていうセリフも僕の解釈からすれば大きく相違はないけど、やっぱりちょっと違う。いや、なんでそこでこの曲ディスった?みたいな(別に漫画の中で世界に一つだけの花という言葉は出てきてないから、ディスったとは言い切れないけど)
さらに僕の解釈からすれば、こういう風にこの歌一つにしてもいろんな解釈をして、いろんな意見が出るこの状況こそ、まさに「世界に一つだけの花」で歌われていることなのかなと。
「みんないろんな考えを持っているんだ。だからそこに、優劣をつけたり相手の価値観を否定するのはおかしいぜ」
って伝えてるんじゃないかなと。
「受容力」というものは本当に身に着けるのが難しい。どんなに意識して話を聞いてても、ちょっと違うなって思った時に反発心が生まれる。
それは別に悪いことではない。いろんな意見出し合って、たくさん衝突して、いいものは出来ていくんだから。
でも、でもだ。最後はこういう考え方もあるんだなって素直に相手を受け入れられるかどうか。そこに人間的な器の大きさが現れると思う。
どんな超エリートでも、自分の意見を押し付けるようじゃあダメだから。多分。
そんなことをつくづく感じてる今日この頃。
という話を長々と書いてるけどこれもあくまで僕の価値観で、他に人に言わせれば「甘いわ!」って言われるんだろうな。
難しいね。人間やるのも。おもろいけど。