ぶっか

 「仏花」だとお供えする花だな。「仏果」ってのもあるらしい。プロレスファンだと「ブッカー」とか「ブック」とかのが馴染み深いかもしれない。「ブッカー」「ブックメーカー」は興行の対戦カードを決める人って意味だったかなたしか。そういえば「アックスボンバー」(ハルクホーガンが有名)を「斧爆弾」と訳すのは解せない。「斧爆弾仕掛ける人」だろ。最後がたぶん「-er」なんだから。とプロレスに興味がないと何のことやら。すまぬ。

 「物価」のはなし。

 物価は「ひとつの国、経済領域における『財とサービス』の価格の総和を均した金額」と定義できるかと思います。か、かたい(苦笑)。平たく言えば、ぜーーんぶ足して割った額。だから「身の回りのあれこれ」の価格だけでは決まらないのです。
 最近、なんだかコンビニ弁当が高い!とかだけでは決まらない。電気・ガス・水道・通信の価格が高い!だけでも決まりません。あれもこれもぜーーんぶ、加味しないと出ません。
 なので具体というより、いたって「抽象」が強いのです。なのでついつい「肌感覚」とか「誰かから聞いた」とか「勘」で決めつけてしまいがちになる方が多いです。……うっかり新聞やテレビ報道といった「噂ばなし」めいた井戸端会議の延長みたいな情報に触れてばかりいるとうっかり「物価があがった!」とか「物価がさがったあ(意気消沈)」とかになったりします。

 国が調べて公表する「物価」は「消費者物価指数」と言います。
 CPIって、言うんだってさ。日本語なんだから「消物数(しょぶす)」でよくね?って思うけど国際比較(主に対USA、かな?)のため言葉を合わせてるらしいです。
 「Consumer Price Index」の略ですね。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/

 ここに律儀に数字が掲載されます。され続けてます。
 「おおむね」の経済の動きを把握するのに便利、とされています。
 ただし、ときどき対象品が変更されたりするので経年のグラフを単純に受け止めて分析してはいけないかもしれません。統計手法も見直されたりするっぽい。だからあくまで「傾向」を捕捉し把握するための道具だってことは覚えておいてくださいね。

 日本が公表する消費者物価指数(CPI)には三つの値があります。
 ひとつは「総合」というやつ。これは「全部入り」。お野菜お魚お肉にお米に電気ガスやガソリン重油の元ネタになるエネルギーなどサービス価格も含めて対象品目の「すべて」を均した金額です。金額だけどあくまで「指数」です。額そのものには意味はないです。「変化」をしるためにごそっとひっくるめてるだけですから。
 あとの二つは「コア」と「コア・コア」と略して呼ばれます。何がコアかといえば、「より本質的な、季節などで変化しない」そういう部分を対象にした消費者物価指数という意味です。
 「コア」の方は「季節変動する食料品関係を省いたもの」です。野菜も魚もお米も小麦も収穫時期や出漁時期が限られるものです。だから毎月とは言わないまでも四半期の季節の変化が反映されてしまう。それを省くことで(といっても、影響受ける部分をすべて除外できるわけでもない……)より本質に近づこう、ということです。
 さらに「コア・コア」は国際相場の影響を受ける、一番有名なのは石油(原油・オイル)でしょうか、それを省いたもの、ということです。
 日本では神経細やかに「コア」と「コア・コア」とをことさらわけてます。USAでは大雑把に、日本のいう「コア・コア」に相当する消費者物価指数のことを「コア」と読んでます。名前が同じでも中身はちと違うのですね。


 ながながと「あたりまえの基礎知識」を書いてきました。

 言いたいことは、申し上げたいことは、「価格」と「物価」とをごちゃまぜにしてはいけませんよ、ということです。
 消費者物価指数のような「全体をみわたしたもの」が「物価」であって、ごく限られた身の回り品だけをとらえて「物価」と言わないように。
 生活実感からつい「価格」の様子をあれこれ見てそれを「物価」と言ってしまいがちではありますが、それは「たくさんの価格」に過ぎません。大局に立ってとらえねばならぬ指標が「物価」だってことを理解なさっていただきたいと思います。
 ……まあ新聞記者もニュースキャスターやコメンテーターも、

そんなことも知らないの?

って能力の不足された方が担っていることを思うと、だから受け取る方がよりしっかりしなければいけないって、そう思うのです。……偉い学者さんでも「知らないことは知らない、理解していないことは理解してない」ものです。ほんとうにコッチがしっかりしてないとコッチが恥をかくことになります(苦笑 苦い経験)。

 おしまい。

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