牛肉から学ぶブランド戦略〈52/1000〉
【ラジオ体操357日目】
『ニコチンレス生活78日目』
こんにちは。
ブランディングやマーケティングについて、学問的にはたくさん学んだけれど、現実社会では新しいものがどんどん出てくるので、学び続けることを覚悟しているコマリストです。
今日は『目的で考えるブランドの活用』というテーマで書いていきたいと思います。
仙台牛、松坂牛、飛騨牛、近江牛、神戸牛、宮崎牛、但馬牛・・・
皆さんの好きな牛肉ブランドは何牛でしょう?
日本全国には47都道府県の数以上のブランド牛が存在していて、毎年ランキング形式で競い合っているわけですが、これらのブランド牛には面白い共通点があります。
今日は、ブランド牛に学ぶブランディングの目的と、新ブランド立ち上げの注意点についてのお話です。
学問的に証明されたような内容ではなく、実際の事例からコマリストが考えたオリジナルのものであるということをご了承下さい。
#学問的なことを知りたい場合はスルーして
地域ブランドと個人ブランド
まずは、牛肉ブランドの展開方法から2つのブランドに分けられるということについて紹介します。
先ほど、いくつか並べたブランド牛の全てに共通することが何であるか分かりますか?
・・・
正解は、”『地名』がブランド名になっている”ということです。
#難しいこと考えた方すみません
#誰でもわかること
これ、全てのブランド牛が地名と紐づいているかというと、そんなことはないんです。
農場を経営している”個人の名前を冠したブランド牛”というものが存在していて、結構な高値で販売されていたり。
堀江貴文さんが手掛けるYAKINIKUMAFIAでも、尾崎宗春さんという方が育てた『尾崎牛』というブランド牛を扱っていることが知られています。
これ、牛肉ブランドでは比較的珍しいですが、珈琲豆ではむしろ個人名を冠したブランド名の方が主流になっていたりするんです。
#農場の名前がブランド名
さて、この地域名を冠したブランドと個人名を冠したブランドの違いは何か?
地域名を冠したブランドに関しては、有名な話ですが『対象エリアで育った牛』であればブランド牛として認定されます。
なので、同じ飲食店で扱っている神戸牛であっても、日によって別の農場で飼育された牛が使われているということが当たり前にあるわけです。
当然ですが、同じ地域で作っていればブランド牛に認定されるので、味や品質にばらつきが生じるのは仕方がないことだと思います。
逆に、個人名を冠したブランド牛は、必ず同じ農場で飼育された牛が出荷されることになるので、この農場がこだわった飼育環境や飼料が肉の味にダイレクトに反映されることになります。
どちらの肉が美味しいということではないですが、生産者個人のこだわりを反映させやすいのは個人名を冠したブランド牛ということになります。
2つのブランドの違いは、当たり前の話ですが、あらためて考えてみると、個人ブランドの牛肉を食べてみたくなりますよね。
各ブランドの目的を考えてみる
さて、ここまで説明してきた『地域ブランド』と『個人ブランド』ですが、そもそもブランド化の目的と効果が異なっています。
とはいえ、各生産者にとっては、ブランド化を図ることで認知拡大や信用の証明による高価格販売といった目的があるので、このあたりは共通しています。
大きく違うのは、『地域ブランド』と『個人ブランド』のそれぞれがもたらす結果に関する部分。
特に地域ブランドに関しては、○○牛という名称を付けて販売することで、牛肉という商品だけでなく○○という地域そのものをPRすることに繋がります。
同じ地域で、認知が広がれば、その肉を求めてくる人も増える。その結果、地域内に○○牛を生産する人が増えて、地域内の経済が潤っていくという好循環を生む可能性を秘めています。
つまり、地域ブランドは地域活性化の起爆剤になりうるし、自社の商品が売れることが、同じ地域の同業者を助けることになるという仕組みによって出来上がっているということ。
逆に個人ブランドは、個人のこだわりをダイレクトに商品に反映することができる反面、認知がどれだけ広がったとしても潤うのはあくまでも個人です。
#決して悪いことではない
もちろん、個人のブランドが認知された後に、フランチャイズ展開などをすることで特定地域に広げることもできるので、「個人だけが儲かる」と一概には言えませんが、こだわりをもっている個人の方がフランチャイズ展開をする可能性はそんなに高くない。
#その他寄付などもあり
なぜなら、せっかく築き上げた信用を壊してしまうリスクを孕んでいるから。
さて、これからブランド戦略に取り組み、商品の販売を頑張っていこうと考えている広告戦略の責任者の皆さん。
どちらのブランドで攻めていきますか?
じゃ、またね!