何を無償で提供するか。
【ラジオ体操237日目】
こんばんは。
1円でもお客さんからお金を頂くことに対して抵抗があるので、意図せずボランティア活動をしてしまう事がある偽善者コマリストです。
今日は『無償提供戦略』というテーマで書いていきたいと思います。
皆さんは、ボランティア活動などに積極的に参加しているでしょうか?
私は、本気で相手のために尽くしたいだけだというマザーテレサのような人は存在しないと本気で思っています。
基本的にはボランティア活動をする人にも何かしらの目的があると思います。
悪い言い方をすれば、売名を目的とすることも、自分の印象をあげる目的のこともある。
そもそも、相手からの何かしらのお礼を期待しているという場合もあるし、自己を満足させる目的の場合もある。
わざと悪く聞こえるように書いていますが、これらの目的を悪いと思ってはいません。
自分の大切な時間やお金を使って活動する訳ですから、目的があった方がむしろ健全ですよね。
今日は、私が経営学を学んでいた時に、これからのビジネスを設計する上で重要な鍵だと話題になった「何を無償で提供するのか」ということについてのお話です。
ボランティア活動とはあまり関係ないですが、現代マーケティングではよく使われている手法なので、知っておいても損はしないと思います。
無償提供戦略
無償提供戦略
あまり聞きなれない言葉だと思います。
ですが、かなり前から使われている手法で「戦いを略す」という意味では、まさに的を得ているやり方なんです。
そんな事言われても、よく分かんないし。
そうですよね。
ということで、いきなりですが、無償提供を戦略として活用している事例について紹介します。
ソフトバンクという会社を知らない人は少ないと思います。
ソフトバンクは、この無償提供戦略を何度も何度も活用している代表的な企業のひとつなんです。
記憶がある方もいるかもしれません。
初めてソフトバンク社がこの戦略をとったのは、インターネット回線業界に参入してすぐのことでした。
街の至る所で、『yahoo bb』の簡易ブースが立ち上げられ、通信する際に必要となるADSLモデムが”無償で”配布されたんです。
もちろん通信用モデムは、安いものではありません。当時を知る方であれば、「頭のおかしい人達」くらいに捉えていた人が沢山いたことを知っているはず。
何をしたかというと、通信に必要なモデムを無償提供する代わりに、ISPとして月額〇円の契約を獲得していたんです。
これ、お客さん1人あたりで考えると、半年間くらいは赤字になります。
ただし、モデム代金回収が終わったお客さんは、次月以降毎月黒字になるというビジネスモデルなので、解約料金を設定して、2年縛りで契約してもらえれば中長期では確実にプラスになる。
このやり方で、一気に新規の顧客を獲得したソフトバンクが、この後どんな成長を遂げたのかは皆さんご存知の通りです。
最近だと、PayPayを広げるために同じ戦略をとっていましたね。
お店側の決済手数料を無料にして、お店もユーザーも大量に獲得したのち、バーコード決済のトップを固いものにしたタイミングで決済手数料の有償化に踏み切りました。
これ、やり方が気に入らないという人も少なからずいるかもしれませんが、そんな人がいることも含めて全て計算通りだと思います。
何せ、これまで何度もやってきた戦略ですからね。
何を無償で提供するのか
前半の説明で、無償提供戦略がどんなものなのか、理解出来たと思います。
ちなみに、この戦略を1番はじめに取り入れたのはカミソリのジレット社です。
無償提供では無いですが、原価に近い価格でカミソリの本体を販売して、その後に「替刃」をリリース。
本体は長期間使えるものなので、ジレット社の替刃を買い続けてもらえる。
つまり、替刃で利益を出すモデルですね。
ということで、この戦略はジレットモデルと呼ばれていたりします。
この戦略、結構身近にたくさんあって、コピー機も、万年筆も食器用洗剤すらも活用しています。
といっても、たくさんあるのは無償提供ではなく、有償だけど安価での提供というパターン。
で、このコロナ禍で”無償提供”は確実に増えています。
今なら、〇〇の資料を無料で提供!
今なら、〇〇の動画を無料で提供!
こんな感じのものをたくさん見かけるようになりましたよね。
これは、目的がハッキリしていて、「潜在顧客」の連絡先を獲得するためのもの。
その後に本当に売りたい商品(高額)を提案する流れになっています。
ただし、これらはソフトバンク社のそれとは明確に異なります。
その違いは、
①無償提供するものが明らかに高額であること
②無償で受け取ったものを使い続けるために、継続的な費用が必要となること
この条件を満たしているかどうか。
要は、インフラ化出来ているかどうかということが重要なんです。
これから先のビジネスにおいては、この戦略を理解して活用出来る商品やサービスが短期間で成長する。
こんなことを考えて、学生として話していたのが5年前のことなので、今さら感もありますが、まだまだチャンスはあると思います。
新しい商品やサービスを広げていきたいと考えている方は、「何を無償で提供するのか」という視点で1度考えてみて下さい。
チャンスを掴み取れるかもしれませんよ!
じゃ、またね!
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