山の上に集まるのは?
【ラジオ体操59日目】
こんにちは。
喉が渇いて、ようやく見つけた自販機に飲みたいものが無い時にどうしようもない絶望感を感じてしまうコマリストです。
今日は『価格を決めるのは?』をテーマに書いていきたいと思います。
突然ですが、登山をしたことはありますか?
私も自慢できるほどの登山家ではありませんが、1,000m前後の山に何度か登ったことがあります。
そのレベルの山だと、それこそ小学生くらいのお子さんも登っていたりするので、負けてられないなと思ってしまうわけですが。
#年齢には勝てない
登山あるあるなのかもしれませんが、苦しい思いをして登っているからなのか、山で人に出会うと必ず気持ちの良い挨拶をしてもらえます。
#こちらからも挨拶する
あれで、もう少し頑張ってみようと思えたりするから不思議ですよね。
そして登頂した時、眼下に広がる絶景と何とも言えない達成感を味わうことができるのですが、それと同時に強烈な空腹感とのどの渇きに襲われます。
多くの山には山頂付近に自動販売機が用意されていて、そこでのどの渇きを潤すことになるのですが、その価格が地上と比べて圧倒的に高いんです。
何で高いのか、考えてみたことはありますか?
価格の決定
商品の価格がどうやって決められているのか?
価格の決め方には大きく分けると3つの方法があります。
❶コスト積み上げ
❷相場価格参考
❸ニーズ汲み取り
一番単純なのが、製造や輸送、材質や人件費などといった製品が出来上がるまでにかかるコストを積み上げて、さらに利益を上乗せする『コスト積み上げ』による価格決定です。
とても分かりやすいですし、それなりに多くの商品に採用されているものです。
多くの人が、何かを作ろうと思った時に見積りを取って、その内訳を確認したことがあると思いますが、まさしくその行為に対する根拠づけみたいなものです。
そして、代替品だったり同等品の価格を参考にして、価格を決める『相場価格参考』も、割とイメージしやすいものだと思います。
缶ジュース1本の値段は?と聞かれれば、大体120円と答える方が多いし、菓子パンの価格は?と聞かれれば150円前後に答えが集中します。
つまり、多くの人たちが”何となくこれくらい”という感覚を共有しているような製品であれば、その価格から大きく外れた価格設定ができないので、その価格に近い設定をするというものです。
そして、最も重要であり、かつ山の上の自動販売機の価格を決めているのが『ニーズ汲み取り』による価格決定です。
これは、すごく単純に言うと「売れるからその値段にする」というやつですね。
山の上の缶ジュースと地上の缶ジュースでは、輸送コストで若干の違いはあるものの、ほとんどコストは同じです。
さらに、缶ジュースの値段は?に対して多くの方が答える価格が120円なので、相場価格とも大きくかけ離れています。
つまり、「コスト積み上げ」「相場価格参考」とは明らかに違うということです。
実際いくらで売られているかというと、250円くらいだったと思います。
山を登ってきたことで、ほとんどの人はのどが渇いている状態です。そんな状態であれば、地上よりも倍以上高くても購入する。
つまり、高くても買いたいという人がたくさんいる。これは、買い手のニーズが集中しているということであり、株式なんかと同じで「買い手のニーズ」が大きければ価格は跳ね上がります。
この買い手のニーズを汲み取った価格の設定が『ニーズ汲み取り』による価格設定というものです。
ニーズが集まる環境
価格決定の代表的なパターンを紹介してきましたが、その中でも私が最も需要だと考えているのは、3つ目の「ニーズ汲み取り」によるものです。
これまで世の中にない商品であれば、当然ですが直接的なニーズは測りようがありません。
そんな場合には”オープン価格”というような表記をしたり、”モニター価格”で安めに販売したりと、テストマーケティングを通してニーズの総量を測定したうえで価格を決めています。
#モニター価格はコスト積み上げ
これを、商品を提供する側の視点に立って考えてみると、”ニーズが集まる場所”を事前に知ることができれば、同じものをより高単価で売り出すことができるということになります。
当然ですが、コストが同じで市場価格が分からない商品であれば、より高額で販売できた方が企業にとっての利益に繋がるというメリットがあります。
では、ニーズはどこに集まるのか?
これを調査することをマーケティングリサーチなんて呼んだりしますが、こんな横文字は一旦置いておくとして、ニーズがどこに集まっているかを知る一つの基準として”不”というキーワードの数があります。
不便、不安、不況、不自由、不満、不要、不良、不和、不手際、不謹慎、不十分、不都合、不本意などなど。
たくさんの不○○が存在していますが、基本的に私たちは不○○を解消したり、改善したりすることに対して欲求を持っています。
そこで、提供する側としては自分の商品やサービスがどんな不○○を解消するものであるのかを明確にしたうえで、その数が少ないエリアでは最低価格で販売し、その数が多い場所では希望価格で販売する。
こんな感じで価格を決定するプロセスが、世の中ではたくさん行われているというわけです。場所によって価格が違う商品を見つけた時には、こんな視点で考えてみると面白いですよ。
まとめ
今日は、『価格を決めるのは?』というテーマで、山の上にある自動販売機の価格がなぜ高いのか、商品の価格がどう決まっているのかということについて書いてきました。
ここに書いてきた価格決定方法は、あくまでも”代表的なもの”であって、細かく言うと無限に存在します。
担当者の気分で価格が決まっているものもあるくらいなので、全てを表現するのは難しいですねw
ただし、ニーズの量に応じて価格を変動させる価格決定方法というのは昔から当たり前のように認識されていて、景気の良し悪し(不況)を知るためのツールとして”牛丼並の価格”が参考にされていたという話もあります。
これは、吉野家や松屋が消費者の状況に合わせて価格を変動させていたことを、利用した判断基準なので面白い視点ですよね。
今日の話のように、日常生活の中にはたくさんの”学びのヒント”がちりばめられています。
何かに”あれ?”と思った時に自分なりの仮説を持って、少しだけ調べてみたりすると、実体験を通して新しい学びを得ることができるので、説得力を持って伝えられる知識になると思います。
子どもの頃のような探求心を持って、毎日をワクワクしながら過ごしてみて下さい。知識の蓄積はもちろん、自分自身の成長速度が爆速で上がりますよ!
じゃ、またね!
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