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お客様は嘘をつく?〈49/1000〉
【ラジオ体操354日目】
『ニコチンレス生活75日目』
こんにちは。
新しい企画を作る時は、ニーズがあるかをしっかり確認しなければいけないと、ヒアリングをし続けた結果、新しくない企画を作ったことがあるコマリストです。
今日は『お客さんが欲しいというものは、本当に欲しいものでは無い?』というテーマで書いていきたいと思います。
お客さんが欲しいと思っているものを売れ!
こんな言葉をどこかで耳にしたことはあるでしょうか?
商売をしている方なら、取り扱う商品を決める時に「お客さんに求められているか」を気にすることも多いと思います。
では、この言葉が嘘だと言われたら、どう感じるでしょう?
今日は、お客さんに欲しいものを聞いてしまうと失敗することが多いから気をつけようというお話です。
けっこうやってしまいがちな話なので、関係ないと思わずに読んでみて下さい。
本当に欲しいのは?
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さて、お客さんが欲しいものを聞いてしまうと失敗するとはどういうことなのか。
具体例から考えてみると分かりやすいと思います。
とても有名な例があるので、それを紹介しつつ説明します。
+-+-+-+-+-+-+-++-+-
ホームセンターにやって来た男性が、何かを探しているようです。
なかなか見つからなくて困っている様子だったので声をかけてみることにしました。
店員
「何かお探しですか?」
男性
「あ、すみません。ドリルを探してるんですけど見つからなくて。」
店員
「どんなドリルをお探しですか?」
男性
「1センチくらいの木の板にネジ止め用の穴を開けたいんです。」
店員
「家庭用でよろしいですか?」
男性
「はい。大丈夫だと思います。」
店員
「こちらが、家庭用のドリルコーナーです。お望みのサイズとなるとコチラか、こちら辺りでしょうか」
男性
「ありがとうございます。」
+-+-+-+-+-+-+-
よくありそうな、こんなやり取り。
さて、このやり取りのどこかに問題があるわけですが、分かりますか?
答えは、
男性が求めているのは「ドリル」ではなく「穴」だということ。
店員としては、お客さんからドリルを探していると言われたので合いそうなドリルをお伝えした。
結果的に、この男性はドリルを手に入れて、その後で自宅で穴を手に入れるので結果は同じかもしれません。
ですが、ドリルを探していると言われた時に、「なぜドリルが必要なのか」を確認していたら、『日曜大工』とか『子供の自由研究』などのキーワードが聞けた方もしれません。
こういったキーワードが出れば、日常的にドリルが必要な人ではないということがわかるはずです。
ここで、”店員が穴あけしてくれるサービス”みたいなものを提案出来たら、男性の満足度は非常に高くなるし、きっと次もこのお店に来てくれる。
生涯でこのお店に支払う金額は、こちらの方が多くなると思いませんか?
#LTV
お客さんは嘘つき!?
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さて、先程のドリルの例え話。とても有名な話でもあるので、知っているという人も多かったと思います。
この話は、マーケティングのよくある間違いみたいな話として出てくるものです。
ところで、ドリルを買いに来たと言う男性は話しかけられた時に「ドリルを探している」と自分の口で話しているわけですが、これは嘘をついているのか?
もちろん、嘘などついていませんよね。
では、どうしてこんなことが起きてしまっているのか。
その答えは、
男性は自分が本当に欲しいものを知らないから。
え?
何言ってんの??
と思ったかもしれませんが、真実です。
男性がドリルを欲しいと思った時、その前には恐らくこんな思考があったはず。
①子供の自由研究で本棚を一緒に作ろう。
②本棚の材料を調べよう。
③ネジで組み立てられるようにしよう。
④先に穴を開けておかないといけない。
⑤穴を開けるドリルが必要になるな。
⑥あのホームセンターに買いに行こう。
この思考の結果、「ドリルが必要」という状態になってホームセンターに来たわけです。
もしも、⑤の所で「あのホームセンターで穴あけサービスやってたな」となっていたら、ドリルを買い行くのではなく、穴を開けに行ったはず。
そうなんです。
本当に知らなかったんです。
お客さんに欲しいものを聞く場合、最初の答えが正しいとは限らない。
これを念頭に置いておかないと、お客さんが本当に求めているものには辿り着けません。
ちなみに、自分がホームセンターの販売員だったとして、販売ノルマがある場合、ドリルを打った方が目先の売上は高くなります。
ただし、この男性との関係性はドリルを売って終わります。
ここで、目先の売上ではなく、長期の関係性を作ることに目を向けて、信用を貯められる人が最終的には成功する人なんだと思っています。
〇〇ってありますか?
もしも、お客さんから声を掛けられたら、その〇〇が必要な理由を聞いてみるところから始めてみて下さい。
じゃ、またね!