課題と問題と理想と現実<110/1000>
【ラジオ体操415日目】
『ニコチンレス生活136日目』
こんにちは。
課題と問題の違いを言葉としては理解している人が多いのに、実際に課題について聞かれると”起きている問題”ばかりが返ってくるので、『課題の設定』にニーズがあると気づいたコマリストです。
今日は『課題を設定出来れば問題は解決する』というテーマで書いていきたいと思います。
御社の課題は何ですか?
この地域における課題は何ですか?
この質問、皆さんだったら何と答えるでしょう?
つい最近、新しいサービスを企画したという方から、その内容についてレビューを求められる機会がありました。
企画の中身については詳しく触れませんが、その企画の内容は、『とても素晴らしいもの』だったので、”素晴らしい企画だと思います”とお答えしつつ、一つ質問をしてみました。
この企画を実現した結果、どんな課題が解消されますか?
この質問に、とても悩んだ表情を見せた起案者が出した答えとは・・?
今日は、課題を聞かれて問題を答えてしまう気持ちはわかるけど、課題の設定を間違えると、一歩も前に進めなくなるから注意した方が良いというお話です。
せっかくいい企画を考えたのに、説得力に欠ける感じがするという場合には、あらためて問題と課題について、整理してみて下さいね。
課題とは
noteで学んでいる人に、こんな質問をするのは失礼かもしれません。
”課題とは何ですか?”
・・・
皆さんなりの答えを思い浮かべてから続きを読んで下さい。
教科書的な答えになりますが、
課題とは、『現状』と『理想』との間にあるギャップ
言葉にすると、非常にシンプルな言葉で説明できてしまいますが、これをきちんと整理できているという人が圧倒的に少ないように感じます。
多くの場合が、問題と課題を混同してしまっているというパターン。
具体的には、こんなケース。
高齢化による定年退職で2年後には人手不足になるので、人手不足を解消することが当社の課題です。
どうでしょう?
正しく課題が設定されているように見えませんか?
これ、一見正しいように見えるけれど、課題設定に失敗しているパターンの一つです。
事実を整理すると、
①社員が高齢化している
②2年後に定年退職者がたくさん出る
これが”事実”であり、『現状』にあたる部分です。
では、この会社にとっての理想(ありたい姿)とは何でしょう?
自社の課題を『人手不足』だと設定しているということは、恐らく理想としているのは現状維持か、組織の拡大のどちらかだと思います。
そして、こういったケースの場合、ほとんどが『現状維持』を理想として掲げている。
ここでは、現状維持というものを、理想として掲げることが正しいかということについては議論しないこととします。
では、維持したい現状とは何なのか?
売り上げ規模?
人員数?
納期?
・・・
色々出てきますよね。
そして、そろそろ気付いたという方もいると思います。
あらためて考えてみましょう。
本当に人手不足がこの会社の課題でしょうか?
個人的には、『人手不足』というのは、現状を踏まえてすでに発生しているor近々発生する可能性が高い問題だと思います。
この会社の場合、課題を明確にするためには『維持したい現状』を明確にすることで、炙り出されてきそうですよね。
返ってきた答え
さて、お待たせしました。企画の内容について私にコメントを依頼された起案者さんが、私からの問いかけに何と答えたのか。
私からの質問は、
『この企画を実現した結果、どんな課題が解消されますか?』というもの。
これに対して返ってきた答えは、
プログラミングを学ぶことが義務教育の中に盛り込まれているので、学校以外でこれを学べる場所があることは、地域の子どもたちの未来につながる。
何とも素晴らしい回答です!
少しだけ企画の中身に触れると、町の施設を活用してプログラミングを学ぶことが出来る環境が整った学童施設を運営するというもの。
すでに学童事業を営んでいるNPO法人が、事業を拡大するために実施する新たなサービスの企画でした。
ここで考えなければいけないのは、すでに学童施設を利用している子供たちの保護者が何を求めているのか?ということ。
今現在の学童施設にはプログラミングを学べる環境はありません。
それでもこの施設を利用しているのは、学校が終わってから保護者が家に帰るまでの時間を安全に過ごすことが出来る環境であることと、宿題に向かう時間を作ることの2つだと思います。
#他にもあるかな
この保護者は、『プログラミングを学べる施設』というものに魅力を感じるでしょうか・・?
このケースの場合は、『現状認識』を疎かにしているパターンです。
やろうとしていることは非常に素晴らしいことだと思います。
けれど、現状を正しく把握し、具体的な理想を描き、その間にあるギャップを埋めるという進め方をしなければ、施設を立ち上げたは良いけれど、利用者が集まらないという問題になりかねない。
面倒であっても、正確に現状を把握し、具体的に理想を描き、丁寧に課題を設定することを一番最初に必ず行う。
これが出来ていれば、問題が発生した時に原因の特定や次なる一手を打ちやすくなります。
課題と問題と理想と現実。
それぞれを正しく活用できるように日頃から意識したいですね。
じゃ、またね!