ビジネスの『キ』〈92/1000〉
【ラジオ体操397日目】
『ニコチンレス生活118日目』
こんばんは。
新しいことを企画したり、商品のコンセプトを考える時にユーザーニーズばかりを気にして、調査に時間をかけすぎてしまうコマリストです。
今日は『ビジネスにおいて最も基本的だけど忘れがちなもの』というテーマで書いていきたいと思います。
良いものを作れば絶対に売れる!
ビジネスは商品力だ!
1980年~1990年にかけて、ほぼ全ての人が持っていたんじゃないかという価値観。
この価値観を持ち続けた結果、2000年以降の日本経済がどうなっていったかということについては説明不要かと思います。
あらためて考えてみましょう。
売れるものとは、どんなものなのか?
今日は、ビジネスを考える上で、最も基本的かつ本質的でありながら、軽視されてしまいがちな視点についてのお話です。
今さら何言ってんだと言われてしまうような「キホンのキ」なので、退屈かもしれません。
キホンのキ
さて、いきなりですが質問です。
ビジネスと最も親和性が高い漢字とは何か分かりますか?
・・・
それは、『稼』や『儲』ではありません。
答えは、『不』です。
答えを見たら、納得してくれる方も多いかもしれません。
基本的に商品やサービスは、購入するお客さんの『不』を解消するものです。
いやいや、旅行とか いちご狩りなんかは何も『不』を感じてないのにお金払うじゃん?
その通りです。
近代の「コト」や『トキ』の消費ではその限りではありません。
ただ、消費のベースとなる「モノ」の消費においてはすべての商品やサービスが誰かの『不』を解消するものでした。
お客さんのニーズを把握しければいけない。
商品やサービスの企画段階では、よく耳にする言葉です。
ここで言うところの”ニーズ”というのがお客さん候補が持っている『不』にあたります。
つまり、お客さんの『不』を的確に捉えて、分かりやすく訴え、効果的に解消するものが売れるものだということ。
品質が高くて、大きな効果が得られる「良いもの」であっても、お客さん候補側に『不』が無ければ売れない。
これが、今さら聞けない『キホンのキ』です。
ミスリード
さて、今さらながらビジネスにおけるキホンのキを振り返ったのには理由があります。
それは、最近の商品やサービスの売り方を見ていると、どうもこの基本を無視している気がしてならないから。
先程も書いたように、商品やサービスが『不』を解消するものであるのは「モノ」消費の場合です。
「消費行動はモノからコトへ。そして、コトからトキへ。」
こんなことが当たり前のように知られるようになっていますが、この言葉が広告会社の仕掛けだと知っているでしょうか。
モノからコトに関しては、誰が言い出したのか定かではありませんが、少なくとも「トキ」については博報堂の仕掛けです。
国内最大手とも言える広告代理店が、言葉を使って私たち消費者を洗脳しにかかった時、大手企業はこの流れについて行くしかありません。
#広告の力は偉大
こうなると、
ニーズ≒お客さんの『不』という方程式が崩れます。
トキ消費においては、
ニーズ≒物心が満たされたお客さんの参加欲求となる。
さて、果たして本当にこれでいいんでしょうか?
確かに一部の年代や、一部の層においては「トキ消費」なるものに移行しているケースも散見されます。
けれど、市場規模という観点で見れば、モノ消費が95%以上を占めていて、次いで多いコト消費ですら5%未満だと思います。
それなのに、これから新しい商品やサービスを考えるとなった時に、ニーズの定義を『不』では無く「体験」や「参加」にしてしまう。
これ、商品としてリリースされたは良いけれど、そんなもの誰も求めてないという悲惨な結果に繋がります。
あくまでも、消費のベースにあるのは『不』です。
商品やサービスが基本として持つ機能で『不』を解消した上で、プラスαの価値として「体験」や「参加」が用意されている。
こういった商品やサービスがこれからは選ばれやすい。
「コト消費」や「トキ消費」といったマーケティングのための言葉に踊らされてしまうことで、最も基本的なことを忘れたミスリードを引き起こす。
明日は我が身だと心得て、自分自身のビジネスはもちろん、関わる方に対してもミスリードを早めに修正するようにアドバイスしていきます。
じゃ、またね!