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家畜人チョッパリ 『隷倭時代』

 隷倭時代(れいわじだい)とは、それまで日本が優位であったK日関係が逆転し、最終的に日本をK国が併合されて消滅した時代を指す。
 それまでアジアの主要国であった日本が没落し、その代わりに大K民国がアジア諸国の主要国へと移行した前期。
 K日戦争で日本がK国に無条件降伏して実効支配された中期。
 そして日本が国家消滅し、日本国民が人権を剥奪され家畜民族へと転落した後期と区分される場合もある。
 この混乱は、21世紀初頭から数十年をかけて行われた。
 これによって約2000年以上続いたとされる日本は滅亡し、日本人は人権を発動され世界唯一となる奴隷民族『チョッパリ』として扱われる事となった。
 元々、日本で使われた最後の元号である『令和』が語源となっている。

●前期

 日本の没落は、複数の要因が組み合わさって起きた。政治の腐敗、財政の悪化。
 衰退していく日本に対し、繁栄を続けるK国への対抗心と、それによる国内混乱も影響したという説もある。

 政治面では、国家与党の右傾化が進み、所謂『ネトウヨ』と呼ばれる層の暴走により、内外問わず混乱の時代を迎えた。
 この頃、日本国内にはK国へ従属し庇護を得ようとする『親K派』と、K国に対して強硬に反抗する『反K派』の対立が続いており、民間では圧倒的に親K派が多かったのにも関わらず、与党は反K派が多数を占めていた。
 これはほとんどの日本国民が政治に無関心であり、『ネトウヨ』層の投票によって政権が誕生したと言う経緯があるからである。

 軍事面では、経済悪化により自衛隊の軍備を満足に賄うことが出来ず、在日米軍に対しても要求される軍費が支払われない状態が続いた。
 これが後に米軍の日本撤退に繋がり、危機を感じた与党政府は国際社会で禁じられている核開発を秘密裏に着手。このことが日本の国際的孤立とK国軍の日本進軍への大義名分の一つになった。

 経済面では、政府の財政難に加えて、在日K国人と日本人の経済格差・所得格差が拡大した。
 日本政府は膨らみ続ける借金に苦しみ、K国からのODAによって辛うじて国家を運営している状態であった。
 国内には失業者が溢れ、K国へと出稼ぎに向かう日本人が続出した。
 しかし優秀なK国人にとって、本国へやってくる日本人は難民以下の存在であり、K国で犯罪者や売春婦に身を落とす者が現れた。
 これに対してK国政府は日本に対して渡航制限を敷いたが、密入国をする日本人が後を絶たず社会問題となった。
 この時にK国政府は不法入国した日本人を拘留し、日本へと強制送還するための施設を建造し、これらは後のチョッパリ収容所の基礎となった。
 K国人の中には貧困層の日本人を奴隷やペットとして飼育する富裕層も現れ、その事を知った日本人達が次々と自ら奴隷へ志願するという問題も発生した。

●中期

 大K民国と中華人民共和国は、当時日本との領土問題を抱えているという共通点を持っていた。
 この頃、右傾化した日本政府は自衛隊による武力挑発を繰り返し行っており、問題となっている領土付近で度々緊張が走っていた。
 日本の度重なる問題行動問題視した米国は警告を何度も行ったが、日本政府が無視したため両国の関係は悪化した。
 K国は米国と秘密裏に連絡を取り、米中両政府の橋渡し役として関係を強め、同時に日本を国際的に孤立させた。
 この頃には米国にとって日本は既に同盟関係を続けるメリットが薄くなっており、関心はK国へと移っていた。K国は軍事力を以て日本を武力制圧し、間接的に日本を統治する計画を米国と結び、それを了承した米国は在日米軍を撤退させた。
 国防の要であった米軍の撤退に焦った日本政府は秘密裏に核兵器の開発に着手するも、すぐに国際社会に露見し、評判は地の底まで落ちることとなる。
 それでも核開発を止めない日本政府に対し、国連は最後通告を行ったが、暴走する日本政府はそれすらもK国の陰謀と断じて先制攻撃をしかけた。
 この頃には、日本国内でK国が攻めてくるという陰謀論が蔓延していたのである。

 20XX年、7月1日に海上自衛隊がK国領の独島に向かい、島に駐留している独島守備隊に攻撃を仕掛けたことで『K日戦争』は開始された。
 最新鋭の軍備を持ち、既に日本の攻撃を衛星で察知していたK国軍の行動は迅速であり、旧式の兵装に頼る自衛隊に勝ち目は無かった。
 独島を攻撃した海上自衛隊の艦隊は迎撃され敗走。続く東海での海戦において海上自衛隊はK国海軍によって壊滅した。
 そのままK国軍は日本本土へと進軍し、7月末日には九州を占領してそこを日本における前線基地とした。
 K国海軍が日本のシーレーンを封鎖したため日本国内の物流は滞り、陸上自衛隊は満足に戦うことも出来ず敗走を重ねた。
 8月中旬には本州にもK国軍は進軍し、東京を包囲した。
 万策尽きた日本政府はK国政府の突き付けた『ソウル宣言』を受諾。
 8月15日午前10時、日本はK国に無条件降伏した。
『ソウル宣言』は以前の『ポツダム宣言』とは違い、完全なる無条件降伏であった。
 日本政府は即日に解体され、国民には戒厳令が敷かれた。
 東京にはK国における臨時統治政府が設置され、これが後に『日本総督府』となる。
 8月20日にはK国が日本の国家消滅を正式に発表。
 日本全土はK国へ併合される事となった。

 9月には日本人の収容がK国軍により開始された。
 逃亡防止のため、衣服を全て没収された状態で日本人は、K国軍によって各地に建造された収容所へと連行された。
 日本人収容所はあまりにもK国軍の進軍スピードが早すぎたため、満足な数を建造する事が出来ず、工場や公民館、学校の体育館なども収容所として利用された。
 収容所の環境は劣悪そのものであり、日本人は全裸ですし詰めにされ糞尿も垂れ流しで異様な悪臭が漂っていたという。
 日本人の食料も不足し、ペットや家畜の餌にK国軍の残飯。酷い場所だと、K国軍兵士の排泄物が混ぜられて振舞われた。
 海外の在留邦人もK国政府の要請で、日本本土へと連行された。
 各国には簡易的な日本人収容所が建てられ、本土同様全裸で収容された。
 そのまま各国は大型貨物船で日本人を日本本土へと輸送した。彼らの扱いは『貨物』と同じで、非常に劣悪な環境で日本へと送られたという。
 現代の奴隷船と揶揄もされたが、それでも日本人を庇う国家は存在しなかった。
 終戦から一年後、K国政府は全日本人の収容を完了。
 日本国内だけでは収容所が足りなかったので、K国国内にも収容所が造られた。

●後期

 日本人の全収容が完了すると、K国政府は彼らの処遇を決定しなければならなかった。
 歴史を直視せず、愚かな戦争を引き起こした日本人をK国人の一員として迎え入れる事は国内外から反対の声が多数上がり、K国政府も消極的な考えを示していた。
 そんな中、K国内では日本人の人権を剥奪して奴隷化する『家畜民族派』と、日本人を例外なく殺害し根絶やしにする『民族浄化派』の二つの論調が沸き起こった。
 K国国内では『家畜民族派』が優勢であったが、国際世論は圧倒的に『民族浄化派』が大多数を占めていた。
 最終的にK国国会による投票により『家畜民族派』の意見が採用され、日本人の人権剥奪、奴隷化が決定された。
 世界各国はこのK国政府の決断を『最も人道に即した慈悲』と絶賛した。

 20XX年9月15日、K国政府は『日本人人権剥奪法』と『チョッパリ保護法』を発表・施行した。
 これにより日本は完全に消滅し、日本人は基本的人権を剥奪されK国政府の所有物となった。
 以降、日本人は『チョッパリ』と呼称されるようになり、世界唯一の奴隷民族として扱われるようになる。
 
 チョッパリは全て個体番号で扱われるようになり、その番号を示す焼印とバーコードが尻へと刻まれた。
 その際、太極旗と共に奴隷民族のシンボルとしてかつてにの日本国旗である『日の丸』のマークも焼印されることとなった。
 これ以降、日の丸は日本国旗から奴隷民族の証として国際的に認知されるようになる。
 チョッパリは雄と雌によって分けられ、雄は労働用としてK国人が嫌う肉体労働や危険な作業に使役された。
 これにより所謂3K仕事は全てチョッパリが行うようになり、彼らは底辺からK国政府を支える事となった。
 雌チョッパリは主にペット・慰安用として使用され、特に安価な性奴隷として使われることが多かった。
 これにより多くのK国人男性は雌チョッパリを性の捌け口として使用するようになり、K国国内の性犯罪は激減した。
 またチョッパリを素体に様々な薬剤実験が行われるようになり、医療面に於いてもK国は先進国の最先端へと成長している。
 
 ソウル大学には『チョッパリ学部』が創設され、彼らによってチョッパリの繁殖が研究されることになった。
 チョッパリをK国政府主導の下で繁殖させ、未来永劫奴隷として使役するためである。
 最終的にチョッパリの繁殖は機械によるオートメーションで行われるようになり、24時間体制で雄と雌のチョッパリを交配させて、繁殖させる施設が国営で運営される事になった。

 そして日本滅亡から10年後。
 K国人生物学者のキム=ジュウォンによってチョッパリが遺伝子学的にホモサピエンスとは違う新種の類人猿であることを発表。名実ともにチョッパリは人間では無くなった。
 この発表により国際社会は正式にチョッパリを奴隷民族として認め、その管理をK国に任せたのである。
 チョッパリに対する扱いは極めて劣悪であるが、人権団体は勿論、動物愛護団体も現状の扱いは黙認しており、公的にチョッパリへの虐待は認められている状態となっている。
 これはチョッパリが『家畜以下』という共通認識が既に国際社会の中で出来上がっており、世界で唯一の公的に認められた被差別民族であることを示していた。
 
 現在、チョッパリはK国の新たなる資源として各国に輸出されており、多くの国で奴隷として使用されている。
 世界中の人間から見下され、家畜以下の扱いを受ける彼らであるが、その原因は最後まで現実を直視できなかった愚かな民族性に集約されるであろう。
 20XX年現在、チョッパリが人権を取り戻す可能性は無く、今後も家畜民族として使役されるであろうというのが大多数の意見である。

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