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見せないダンスのススメ


はじめに

afro, house, funk, soul, latin, hip-hop等々
ダンスミュージックが好きな人は大勢いると思います。
これらの音楽に「体で参加する=ダンス」は、とても楽しいのです。
とはいえ「みんなで踊ると楽しいよ、さぁ踊ろう!」のようなハイテンションな記事ではありません。
以下に書くような考え方は奇行種だと思っていますが、万が一同じ考えの人が目にして「あぁそうね」と思ってくれたら良いなと思い、ここに記録してみます。

何が楽しい?

日本の場合、「踊る」は生活に根付いていないので、踊るのは一部の若者で、且つハイテンションな時ぐらいでしょう。
クラブに行っても踊っている人は殆どいません。

この楽しさは、スキーに例えるのが良い気がしています。
端から見れば「ただ上から下に滑ってるだけじゃん」ですが、うまく滑ると楽しい(たぶん)。
また、ゲレンデの形状や雪の質によって、色々な楽しさがある(たぶん)。

ダンスの場合、ゲレンデは音楽です。

なので、街中でも良い音楽が耳に入ってくると、眼の前に最高のゲレンデが広がっているのと同じ感覚です。
スキーヤーであれば、「うぁここで滑りて〜」となるように、ダンサーとしては体を動かしたくなります。

踊る目的

一般的には、特に日本では「自分を表現するツール」なのだと思います。
「かっこいいオレを見て!」
「セクシーなあたしを見て!」
というダンス。
この手のダンスは「見せるダンス」だと思っています。

一方、見せることが目的ではないダンスも存在します。
南米やアフリカのどこぞの国のストリートで、老若男女が踊っているダンスがその範疇です。
あくまで自分が気持ちよければ良いのです。

「見せないダンス」は、ノリ方さえ覚えれば、延々と踊れますが、同じ動きしかできないとさすがに飽きてきます。
しかし、スキーと同様、技術が向上すれば、色々なノリ方ができるので、飽きずに踊れる時間を延長できます。

ダンス=振り付け?

と思っている人は多いと思います。
つまり、「動き方さえ覚えれば誰でもできる」と。
また、かっこよくするためには、「早く動いたり、素早く止めたり、筋肉で頑張れば良い」と。
私も始める前はそんなものだと思っていました。
しかし、例えば、あるステップを行う場合、足の動きだけではなく、体全体を連動させる必要があります。

個人的には、この「連動」がダンスだと思っています。

連動がないダンスは、ただの体操ですが、これを習得するのがとても難しいので、長時間の練習や慣れが必要だと思います。

因みに、ダンス教室では、「連動」はおかまいなしで、何もできなくても振り付けをやります。
前述の「見せるダンス」をやりたい人にとっては「見せることができた」と満足するのでしょう。
「基本的な動きをメインにすると誰も来なくなる」と、とある先生が言っていたように、ダンス教室も商売なので、客が離れないために振り付けメインで教えることになっています。

「連動」の方法

「では、どうやって連動させるの?」

これは、動きによって様々です。
しかも、正解が無い。

「だったら、練習しようもないじゃない」

そうなのです。
なので教えるもの難しいし、ある動きで自分のやり方を伝えるのは、自分の趣味を押し付けるようで躊躇する先生も多いと思います。(勿論、押し付ける先生も大勢いますが)

ある程度ダンスに慣れた段階から「その先に進みたい。でもどうすれば・・・」と悩む人は多いと思います。
その壁は「連動」かもしれません。
誰かの真似をする方法もありますが、モノマネになるリスクがあります。
また、体型も筋肉のつき方も音楽の聞き方も違うので、形だけ真似ても「なんか変」になりがちです。

なので、自分にとって一番自然な動き(連動)をするのが最適です。

「連動」の練習

まずは、実際のテンポの何倍も遅いスピードで、ゆーーーーーーっくり動いてみます。
これで、滑らかに無理なく動ける方法を模索します。
慣れてきたら、徐々に実際のテンポに近づけていきます。
実際のテンポでも動けるようになっても終了ではありません。
暫く動いた後に、「どの筋肉が疲労しているか」をチェックしてみてください。
その部分に負担がかかっています。
そこに負担がかからないように動きを修正します。

折角筋肉を動かすなら、最小限のパワーで効率良く使った方が良いし、不要な筋肉は極力弛緩させるのが良いはず。
そのために重心の置き方や位置エネルギーの使い方がポイントになります。
(「位置エネルギー」なんて、小難しい表現をしましたが、これは体を持ち上げてから下ろす瞬間を利用することで、早いステップをやるとき等に有効。こういうことを誰も教えてくれないんですよね・・・)
おそらくスポーツも同じなのだと思います。

最後に

簡単なステップなら、誰でもできると思いますが、スキーに例えれば「ボーゲンで曲がれるようになった」レベルだと思います。
その場合、対応できるゲレンデは、平らな緩斜面でしょう。
「平らな緩斜面」を音楽に例えれば「4つ打ちのDisco」だと思います。

体の使い方を覚えれば、「4つ打ちのDisco」以外にも対応できるようになるでしょう。
冒頭にあげたafro, house, funk, soul, latin, hip-hop等々、其々異なるグルーブがあり、それらにより深く関われるようになるのです。
それができるようになるととっても楽しいのです。

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