Spreadyの誕生から1年を振り返ってみました
2019年3月28日、『Spready(スプレディ)』β版がローンチとなりました
改めてこの場を借りて、スプレッダーの皆さん、仮説検証にご協力いただいた法人ユーザの皆さま、様々な形でSpreadyの企画開発や運営に関わっていただいた皆さんに心からお礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました!!
嬉しいことに、β版のローンチはTechChrunchさんやTHE BRIDGEさんでも取り上げていただけました。
『潜在的な転職候補者』という表現がありますので少し補足をしますと、僕たちは特に転職候補者を企業につなぎたいのではありません。
とにかく人やスキル、知見の流動性を徹底的に高めること。
ビジネスアライアンスや雇用、パートナーシップなど、いろんな形で日々発生している『合意』のプロセスの2歩や3歩手前のタイミングで、人と組織が既に交流している状態を作ること。
これを意識してサービスモデルとして形としたものが、『Spready』というサービスです。
ですので、OGPの通り、『Spready』は“ご縁をつなぐプラットフォーム”という表現をしています。人と組織の出会いのアンカーを雇用やビジネスマッチングなどに設定するのではなく、”出会いそのもの”に設定してサービス化しています。面談の満足度は毎回確認をしていますが、その後の合意プロセスにタッチすることはありません。
僕たちがSpreadyという仕組みでアプローチをしたいのは、”日本の労働力の流動性を高める”ということです。
そして、このような大きな社会課題に加えて、Spreadyは『やりたいに出会い続ける世界をつくる』というミッションと、そのための『人と組織の新しい”つながり”をつくる』というビジョンの実現のために存在しています。
ということで、創業から1年を振り返ってみます
思い起こせばSpreadyを設立したのは2018年5月1日のことでした。早いもので1年も経つのですね。2019年の5月1日は、きっと、、いや間違いなく日本は”令和”一色になるでしょうから、せっかくなのでもうこの機会に1年を振り返ってみようと思います。
β版ローンチ、関わっていただいた全ての皆さまへの御礼に添えて。
そもそも、実は違うサービスを展開することを考えていた
”B with C to Cモデルのご縁つなぎサービス『Spready』”として、仮説検証を進めたのは2018年6月からなのですが、実はHRジャンルの違うサービスの展開を考えていました。
もう言ってしまうと、バックグラウンドチェック(リファレンスチェック)サービスです。その後、2019年1月にSCOUTERさんが月額制リファレンスチェックサービス「back check」をローンチされるのですが、バックグラウンドチェック、というジャンル、アメリカではいくつかスタートアップがあるんですよね。
それで、共同創業者の柳川(柳川は当時Rettyの人事&コミュニティマネージャーでした)に、「このサービス、ニーズがあるかヒアリングをさせてもらえませんかー?」とランチをしたのが2018年3月末くらいだったと思います。退職の挨拶もセットでしたね(笑)
柳川とはクライアントとしてはその時にすでに3年ほどやり取りしていたのですが、実はこれが初ランチです。そしてその後、プロジェクトに参画してもらって数ヶ月を過ごし、正式には2019年1月に共同創業者としてジョインしてもらうことになります。
柳川に限らず結構たくさんの方にヒアリングをさせていただきました。(当時ご協力をいただいた皆さん、本当にありがとうございました!)
ニーズはあるなあ、、とは思っていたのですが、これは、創業期のスタートアップの最初の1手として絶対にやってはいけないサービスの一つだ(少なくとも他にキャッシュカウを持っていないと無理だ)、と思って、この方向性は捨てました。(なぜ辞めたか気になる人がいたら、僕に直接連絡ください。笑)
2018年5月創業
そして、そこからは今のSpreadyの原型になるサービスを考えて、これも様々な方にご意見をいただいていました。で、この方向性で行こうとなったのが5月の初旬、起業してすぐのあたりです。
Spreadyの創業は2018年5月1日。
登記場所は自宅でしたが、アプリコット・ベンチャーズの白川さん(1社目でスタートアップ支援事業をやっていた際のパートナーで、さらに後からわかるのですが大学の同級生でした)に無理を言って、白川さんの運営する東急不動産のスタートアップのコワーキングスペース『GUILD SHIBUYA』に入れてもらってスタートしました。本来は白川さんの投資先を中心としたこワーキングスペースというコンセプトだったのですが、、結局あの時のご縁で、今でもGUILDSHIBUYA内にオフィスを構えています。
(こんな感じでコワーキングスペースの1席だけをお借りしていて、最終的には4席もお借りさせていただいた)
白川さんのアプリコット・ベンチャーズ。コーポレートのカットモデルにちょくちょく僕が出てくるのも良い思い出です。手とか足とか頭とか。
5月下旬にはGMOVenturePartnersさんから資金調達も実施しています。
エクイティ・ファイアンスをこのタイミングでやったのは、とにかく事業成長速度に拘りたかったから。それは、特に2020年以降の景気後退局面が本格化したタイミングまでに、Spreadyを皆さんの目に届くプレゼンスまで成長させたかったからです。
というのも、景気後退局面では、社会環境が大きく変わり、新たな価値基準を示すサービスが必ず求められると考えているからです。本質的には20年変わっていないHRマーケットが変わるとしたら、このタイミング以外にはありえないと思っています。
そしてステークホルダー作り。
Spreadyは既存の産業構造をかなりな勢いで全否定をしてしまうので、ディスラプティブなアプローチをすることが予想されていました。当然、僕一人で作り上げられるとは思っていませんでした。もちろん、起業そのものも初めての経験でしたし、この1年は経験したことないことばかりだったかもしれません。(もちろん、そうではないところもたくさんあります。)
ただしプロダクトを作ったことがない、、、
が、プロダクトを作らない検証が結果的にとてもよかった
そしてまとまった資金が手に入ったので、それこそプロダクトを作ろうとするわけなのですが、いかんせん僕はそれまでプロダクトを作ったことがなかったのですね。方法すらも全くわからない。
それで、当時のプロジェクトメンバーのつてなどで、いろんな方に話を聞きに行ったり、そんなことをしていてまあ、、、よくダメ出しされていましたね(笑)
そんなこんなことをしていて、よし、プロダクトの開発は並行させて進めていくものの、全てアナログで運用してみよう!と思って仮説検証を始めたのが2018年6月のことです。アナログでの仮説検証は、最終的にはプロダクトローンチまで10ヶ月続くことになります。
ただ、結果的に、このアナログでの仮説検証を続けた半年間はとても貴重なインサイトがありました。
例えば、Spreadyが持つ大切な要素の一つが『コミュニティ』です。(Spreadyでは間に入ってご縁をつないでいただく方を”スプレッダー”と呼ばせていただいており、スプレッダーは承認制のコミュニティです。)
最初は今考えると乱暴に、一つのコミュニティを作りに行こうとするわけなんですが、特に雇用(を斡旋する行為はしないのですが、絡みます)に関する情報を扱うのはやっぱり日本では相当にセンシティブなんですね。
そして、日本には「丁稚奉公カルチャー」もあるので、たとえ無給だったとしても、「スプレッダーとして活動していることは他のスプレッダーにわからないようにしてほしい」という声は結構あるんです。
なので、「ああ、これはFacebookじゃなくてmixiなんだ」、思ったり。
他にも、スプレッダーという貴重な仲間探しは、AARRRじゃなくてARRRAモデルで探した方がいいんだな、というテーマもありました。
※AARRR(アー)モデルとARRRA(アーラ)モデルについては、この記事が一番外観を掴みやすいです
人をつなぐという行為は「本質的」に重い行為なんですね。
なので、プロダクトで”手軽”にはできても、”気軽”にやれる行為ではないし(手軽さと気軽さは違う)、少なくとも日本のはたらくカルチャーが変わらない限り全員ができる行為ではないと考えるに至っています。なので、事業計画上は広告予算を売上に対して●%と結構割り当てる計画を立てていたのですが、結果全然使いませんでした。
僕や柳川の身の回りの『ソーシャル・キャピタル性』が強そうな方、お一人お一人にコンセプトを伝えて周り、その方に共感いただけそうな方をご紹介いただく。今はプロダクトがありますので、そこからご登録をいただく方も多くなってきましたが、流入経路はオーガニック(自然流入)&リファラルで100%です。
そして、事業モデルとしてもSaaSを選択しています。
ユーザベース/FORCAS佐久間さんのこの記事が僕は大好きなので、この場でも紹介します。
そしてそもそも、人と組織の新しい”つながり”を作るための「Spready」なので、人と組織の出会いの障壁になるものは全て排除したかったんですね。
仮説検証フェーズでは、いちお繋ぎごとに法人様からおいくらかいただき、それをスプレッダーとレベニューシェアする形をとっていたのですが、まずもってマネタイズモデルが障壁になっていて相応しくない。
本来は人と組織が自由に出会い、交流をしてもらうことを意識しているのに、ご縁が多くなればなるほどお金をいただくというのは間違ったモデルです。
今は法人ユーザさんには定額制でサービスを提供しており、”出会う人の数に制限を一切設けない”というサービスにしています。(これは今移行を進めています。)
2018年12月末、初めてメディアに露出をして事前登録スタート
年末にNewspicksさんでSpreadyの露出があることが確定していたので、サービスとしては事前登録のみ開始をしました。(凄まじい突貫工事をしました。当時手伝っていただいていたWさんありがとう。)
改めて、コンテンツの力は本当にすごいですよね。実はこのタイミングではまだステルスに進めたかったので(正確にはいまもそうですが)、ビジネスモデルに関してはほとんど何も語っていません。
スプレッダーの皆さんに提供したい価値も、かなり抽象度の高いレベルに留めています。それでも、大変ありがたいことに多くの共感をいただくことができ、スプレッダーコミュニティも拡大してきました。結果、本ローンチのタイミングまで事前登録はオーガニックで流入し続けたんです。
(amiチームの皆さんにも大変お世話になりました。ありがとうございます。)
ファイナンス面では、12月にはユーザベースさんのVC事業であるUBVenturesさん、そしてSMBCベンチャーキャピタルさんにもステークホルダーに入っていただきました。
このあたりからプロダクト開発も加速します。
CTOの守がSpreadyに参画を決めてもらったのが12月(12月末イベントだらけですね)、そして一度このタイミングで開発途中だったものを全て見直し、ゼロベースからほぼ守一人で作り上げたのがβ版のSpreadyです。
(この写真はローンチの前日、AWSさんのイベントで守が登壇した時のものです。写真がしっかり”NO PRODUCT NOW!”になってますね。翌日には”PRODUCT NOW!”になります。素晴らしいタイミングのスライドで、写真を撮ってくれたNさんありがとう。)
光の速さで過ぎ去った1月-3月は、たくさんの協力者が増えました
柳川のジョインが(正確には)2019年1月。
CTO守のジョインが3月。
この3月には、4人目の社員として喜多村もジョインします。
喜多村は本業は起業家で、代表取締役として自分の事業を持っています。喜多村とはWantedlyで出会い「副業で色々学ばせてください!週●時間くらいで!」という感じだったのですが、僕たちはそもそも社員であっても副業禁止どころか大歓迎ですし、社保の対応などもあったので社員でいいですよ、稼働時間も全然気にしませんし、、という形で入ってもらいました。いつか自分の事業が大きくなって、社員を雇用する日がきたら、遠慮なく雇用形態を切り替えてもらって大丈夫!と思っています。
そして、こ3ヶ月間は本当にたくさんの協力者の皆さんにお力添えをいただいていまして、β版ローンチのタイミングでは社員4名+業務委託メンバー13名、スプレッダーコミュニティは200名を超えていました。
改めて振り返ってみると創業して8ヶ月間は社員が僕1名だったのですが、1月-3月は1人で過ごした8ヶ月間の100倍くらい(体感値)の事業進捗がありました。(じゃあ、最初の8ヶ月間はなんだったんだと個人的には反省していますが、これはここではひとまず脇に置いておくことにします。)
2019年3月28日 β版ローンチ
そしてβ版ローンチ。想像以上の反響をいただいていまして、本当に嬉しい限りです。想定よりも1ヶ月早く、法人ユーザへの定額制モデルのサービス提供も開始することになりました。
(初めて自前オフィスも持ちました)
SaaSは永遠のβ版と言いますが、『Spready』はまだ本当のβ版にすぎず、5月に本ローンチを控えています。ここではスプレッダーのみなさまの体験を大きく変える変更を加える予定にしていますので、ぜひ楽しみにお待ちいただけますと幸いです。
1年が経ち、「Spready」には、様々なDNAが加わっており、”みんなのもの”になっていた
と、ここまでざっくりとでずが、β版ローンチまでを振り返ってみました。長文お付き合いいただきありがとうございます。
ここまでのエピソードを改めて眺めてみると、、僕一人で全てを解決した、完遂させた項目が一つもないんですね。
そもそも事業アイディアだって、様々な交流の中から組み立てて発想するに至っているわけですし、事業運営面もそうですし、もちろんプロダクト開発の領域は文字通り本当にそうでした。(TECH::CAMPに行ったりはしてますよ!証拠です↓努力はします)
最初は僕がやりたいと思ってSpreadyを立ち上げたのですが、1年も経てばもう、関わっていただいた全ての方々、一人一人のDNAや遺伝子、エッセンスみたいなものが、至るところで息づいていることが、ありありとわかる。
サービスとしての「Spready」はもちろんですし、Spreadyという会社も、僕はCEOという役割を持つに過ぎず、もちろん僕のものではなくなっていて、全てのステークホルダーのものになっていました。
そんなことを振り返って見ると、これまでのご厚意やご協力、様々なご縁に、ただただ”感謝”の一言以外に適切な言葉浮かばなくなってしまいました。
様々な形でお力添えをいただいた皆さん、
本当にありがとうございました!
そして、これからも、よろしくお願いします。
この一言をお伝えしたくて、noteを綴らせていただいた次第です。
最後に、改めて、Spreadyはこういう会社です。
「やりたい」に出会い続ける世界をつくること。
この究極的な目標に向かって、まずはSpreadyから、どんどんアプローチして行きたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。
▼ご縁つなぎサービス”Spready”
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