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清夜に響くブルーライン7曲目

今日は部活がお休みの金曜日。
金曜日はどの部活も休みというのが校則である。

電車が来た。

乗り込むと少し満員だった。
満員電車は嫌いだ。

あと一分で発車いたします。
アナウンスがかかる。

その時階段を駆け上がってくる男子の姿が見えた。
かずくんだった。

「あ!もえさん!」
「やっほ、今帰り?」

ドアが閉まります。ご注意ください。

ドアが閉まった。

待って、密着しすぎてない?

もうちょっと離れた方がいいよね、と後ろに行こうとするとガタンと電車が揺れた。
きゃっ
後ろに倒れそうになる。

咄嗟に手を捕まれた。
かずくんの男らしい手だった。
たくましかった。

「大丈夫?こっち。」

そして引き寄せてくれた時
彼の胸元に顔が近付いた。

まってまって!
近い!え!

ドキドキが止まらなかった。
彼のワイシャツ彼のネクタイ
そして…優しい匂い

落ち着いた。初めてかいだわけじゃない懐かしい感じがした。
もうちょっとこのままでいいかな…

駅に着いた。

かずくんは私を満員に巻き込まれないように
腕を握ってくれた。

そして
「また、明日ね。」
と優しい笑顔で笑った。
「あ、あ、あの、ありがとう。ま、また!」
と去ろうとすると
「もえさんって…」
と何か言いかけられた。
「な、何?」
「ううん、今日の髪型いつもと違っていいね。」

あ、今日はダンスがあるからお団子にしてきたんだ…わ、私も何か…

「だ、ダンス!チアダンス本番楽しみにしてます!」

ドキドキが耐えきれなくて私は走り去った。

もう心臓が持たなかった。
異性とあんなにくっつくなんて
初めてすぎて。
顔…絶対赤い
私は改札を出て夕焼けを見上げて歩いた。

to be continued…

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