初美と広
[彼女を幸せにできますように]
未来の大作家 広
[彼とずっといられますように]
大作家の恋人 初美
北沢神社の絵馬に書いてあった
微笑っちゃうよなぁ
どんな物語を いつものペンで綴っているのだろう
どこのスーパーに行って
どこら辺で道草してるんだろう
きっと世界はあんたらのもんだ
蝉の鳴き声
散歩がてらに参拝する人
誰かが捨てていったペットボトル
花火の残骸
賽銭箱の前 階段に座って 僕も今、ここにいない彼女に話しかける
大して信じてもいない神様に一応頼んでおいた
穏やかな日曜の朝
さっきまで些細な事でイラついてたんだけどなあ
微笑っちゃうよなぁ
[彼女を大切にし続けられますように]
未来の大物
北沢神社の帰り そんなことを身体の内側に書いといた
いつもの顔して 微笑ってたんだ
世界はいつだって自分のもんだ
この君との物語を出来るだけ長く
そんなことを心の真芯に書いておいた
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