マリエリ

音楽、バンド、喫茶店、バーなど、素敵なものの素敵なところを、伝わる形にしておきたい。紹…

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音楽、バンド、喫茶店、バーなど、素敵なものの素敵なところを、伝わる形にしておきたい。紹介記事を書きます。

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記事一覧

【GIVEN BY THE FLAMES】ホラーとメタルが好きなあなたへ

タイトルを見て興味を持った諸兄は、まずはこのビデオを再生して欲しい。 R.I.P サムネイルの画面に映る本物の悪魔みたいな風貌のボーカルが、このバンドのフロントマン…

マリエリ
3週間前
7

【喫茶店紹介】画廊喫茶Zaroff/退廃と美学の潜む五差路

 以前より、画家である友人たちの展示が度々行われる場所として、その都度訪れていたザロフの記事を改めて書こうと思った時、この場所を正しく (正しくというにも個人的…

マリエリ
1か月前
7

【喫茶店紹介】純喫茶キラーズ/志を同じくする人に雨宿りを許す傘のような場所

何かの帰りに「まだ時間が早いし、キラーズに寄って帰ろうかな」と思いつくことがある。 そういう日は、人が多い場所に赴いたのに、誰とも打ち解けた会話を交わしていない…

マリエリ
4か月前
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【日本料理店紹介】ふぐ舗・にしぶち/人と食べ物がくれる生命力を思う場所

にしぶちは、東京・阿佐ヶ谷にある「ふぐ・日本料理店」だ。 「ふぐ舗・にしぶち」は法事やお食い初め、食事会などのきちんとした場として愛されているお店ではある。 私…

マリエリ
4か月前
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【BAR紹介】大阪・千日前salon夕顔楼/美学に統べられたヴンダーカマー

正直なところ、客を選ぶBARだと思う。 同時に、この店に一度は運命のように迷い込むべき人たちが居るとも思う。 赤い照明に照らされた薄暗い店内には、耽美と退廃の気配が…

マリエリ
5か月前
21

【小説風BAR紹介】駒込VARIANT TOKYO

 近年、薬草系のリキュールが流行っていると耳にした。 「何それ?」 「平たく言えば、ハーブのお酒だね」 「例えば?」 「有名なのはカンパリ。イエーガーやアブサンもそ…

マリエリ
5か月前
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【LIPHLICH】活動休止前最終ライブレポートNatural New Nix@神田スクエアホール_2024/2/24

暗転した会場内に、映画のフィルムが回る音が響く。 おもむろについたライトは青から赤へ色を変えた。 ピアノの音が重なる。 シンフォニーの重層で、「リインカーネーショ…

マリエリ
6か月前
4

【ピン芸人・九月】お笑いファンよりも読書好きの人に知られてほしい狂気の自作自演屋

九月さんというピン芸人をご存じだろうか。 Twitterをやっている人は、度々バズっている彼のツイートを見かけたことがあるかもしれない。 『京大卒のお笑い芸人』としてメ…

マリエリ
1年前
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【マイナス人生オーケストラ】曲が愛されている限り音楽は過去にならない

マイナス人生オーケストラは2019年に解散したヴィジュアル系のバンドだ。私は彼らのことを、LIPHLICHの対バン相手として2013年頃に知った。 両腕に蛍光の腕輪を何十本も付…

マリエリ
1年前
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【THE YELLOW MONKEY】好きな曲まとめ

イエローモンキーの好きな曲をまとめます。 マイナー曲が多いので、公式引用難しいかなと思ったんですが 最高なことに、過去アルバム曲、公式が曲単位で上げてくれていまし…

マリエリ
1年前
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春の花

春になって、見かける花の名前を。 【乙女椿】 卒業式の頃に咲く花というイメージ。 カメリアはこの花を指すそうです。 【辛夷と白木蓮】 春先に咲く白い花、花弁が外…

マリエリ
1年前
17

【BUCK-TICK】好きな曲まとめ

見えない物を見ようとする誤解 すべて誤解だ 個人的にBUCK-TICKで一番に思い出す印象強い曲。あまり話題に上がらないのはなぜ。。 初めて聴いたときに驚いたことを覚えて…

マリエリ
1年前
4

春に聴きたくなる音楽

いろいろ思い出したので書いておきます。 思い出したら追加します。 ◆春の朝One/高木正勝 冷たく凍っていた大地から、澄んだ冷たい水がぐいぐい湧き出す生命力のイメー…

マリエリ
1年前
5

【Guniw tools】大事なことは古川さんに教わった

幼い頃、私は「本当のこと」を知りたかったインターネットのない時代に、地方で過保護な少女期を過ごした私は、「世の中で、何を信じて生きたらいいのか分からない」という…

マリエリ
1年前
31

【LIPHLICH】音楽好きを自認する人にこそ知られてほしい稀代のストーリーテラー

今こそ、LIPHLICHの話をしよう LIPHLICH(リフリッチ)は、ここ十年にわたり、私が見続けているバンドである。 騙されたと思って私の話を聞いてほしい。 「信じる価値の…

マリエリ
1年前
17

【OGGYWEST】言葉が好きな人にはラップユニットOGGYWESTをお薦めしたい

ラップ、ヒップホップは、不良のものだとずっと思っていた。 そういう偏見があって、私は今までの人生で、ほとんどラップやヒップホップを聴かずに生きてきた。 偶発的に私…

マリエリ
2年前
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【GIVEN BY THE FLAMES】ホラーとメタルが好きなあなたへ

【GIVEN BY THE FLAMES】ホラーとメタルが好きなあなたへ

タイトルを見て興味を持った諸兄は、まずはこのビデオを再生して欲しい。

R.I.P

サムネイルの画面に映る本物の悪魔みたいな風貌のボーカルが、このバンドのフロントマンであるWillianである。
この存在の説得力に圧倒された人は、メタルコアに親しんでこなかったとしても、きっと彼らが音楽で描くものを好きになると思う。

廃墟に迷い込んだバンドメンバー5人が、悪霊やらお化けやらに遭遇して逃げ回るこの

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【喫茶店紹介】画廊喫茶Zaroff/退廃と美学の潜む五差路

【喫茶店紹介】画廊喫茶Zaroff/退廃と美学の潜む五差路

 以前より、画家である友人たちの展示が度々行われる場所として、その都度訪れていたザロフの記事を改めて書こうと思った時、この場所を正しく
(正しくというにも個人的な印象が入るものなのでどうしても語弊を含んでしまうものではあるけれど、私個人の受ける印象を誤解なく伝えるという意味での正しさとして)
伝えるために、はて、何という言葉が『相応しい』かしら、と考えてみて、掲題の言葉を思いつきました。

 ザロ

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【喫茶店紹介】純喫茶キラーズ/志を同じくする人に雨宿りを許す傘のような場所

【喫茶店紹介】純喫茶キラーズ/志を同じくする人に雨宿りを許す傘のような場所

何かの帰りに「まだ時間が早いし、キラーズに寄って帰ろうかな」と思いつくことがある。
そういう日は、人が多い場所に赴いたのに、誰とも打ち解けた会話を交わしていない日だったりする。

以前は、こういう時、自宅近くのバーによく足を運んでいた。
コンサートを見た後、映画を見た後、観劇の後など、何かを考えた日。
誰かに何かを聞いて欲しい時。
家に帰って一日を終える前に、今日思ったことを整理したい時。

キラ

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【日本料理店紹介】ふぐ舗・にしぶち/人と食べ物がくれる生命力を思う場所

【日本料理店紹介】ふぐ舗・にしぶち/人と食べ物がくれる生命力を思う場所

にしぶちは、東京・阿佐ヶ谷にある「ふぐ・日本料理店」だ。

「ふぐ舗・にしぶち」は法事やお食い初め、食事会などのきちんとした場として愛されているお店ではある。
私自身、「にしぶち」と出会うまで、ふぐは法要など「きちんとした」親戚の集いなどで数度食べた経験しかない高級食材であり、縁遠いものだった。

「自分のお金で、ふぐを食べに行ったことはありますか」
と聞くと、YESと答える人は多くはないと思う。

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【BAR紹介】大阪・千日前salon夕顔楼/美学に統べられたヴンダーカマー

【BAR紹介】大阪・千日前salon夕顔楼/美学に統べられたヴンダーカマー

正直なところ、客を選ぶBARだと思う。
同時に、この店に一度は運命のように迷い込むべき人たちが居るとも思う。

赤い照明に照らされた薄暗い店内には、耽美と退廃の気配がする。
壁際に収められた数千冊の蔵書。
芸術、音楽、美術、人形、文学、写真、それらの「美しさ」を軸とするものたちは、店主の目によって一つずつ選ばれ、時間の蓄積のようにこの場所で息を潜めている。
赤い別珍張りのソファー。赤い光を反射する

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【小説風BAR紹介】駒込VARIANT TOKYO

【小説風BAR紹介】駒込VARIANT TOKYO

 近年、薬草系のリキュールが流行っていると耳にした。
「何それ?」
「平たく言えば、ハーブのお酒だね」
「例えば?」
「有名なのはカンパリ。イエーガーやアブサンもそうだね」
 バーで隣り合った男性は長い前髪を頬に流し、こちらを向かずにロックグラスを傾けた。
「それは? 今飲んでる黒っぽいお酒」
「……これは、ブレンデッドのアブサン。一口飲んでみる?」

 これは何年も前の記憶である。
 知人に連れ

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【LIPHLICH】活動休止前最終ライブレポートNatural New Nix@神田スクエアホール_2024/2/24

【LIPHLICH】活動休止前最終ライブレポートNatural New Nix@神田スクエアホール_2024/2/24

暗転した会場内に、映画のフィルムが回る音が響く。
おもむろについたライトは青から赤へ色を変えた。
ピアノの音が重なる。
シンフォニーの重層で、「リインカーネーション」の『さあ繰り返そう』の部分が会場に満ちる。始まったばかりだというのに、もう大団円のような空気の中でメンバーが一人ずつ入場する。

最後に入場した久我さんがピンスポットでアカペラで歌い始めたのは「航海の詩」の英詞だった。下から上に舐める

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【ピン芸人・九月】お笑いファンよりも読書好きの人に知られてほしい狂気の自作自演屋

【ピン芸人・九月】お笑いファンよりも読書好きの人に知られてほしい狂気の自作自演屋

九月さんというピン芸人をご存じだろうか。

Twitterをやっている人は、度々バズっている彼のツイートを見かけたことがあるかもしれない。
『京大卒のお笑い芸人』としてメディア記事に取り上げられているのを見たことがあるかもしれない。
もっと言うと、先日バズった彼の『九月の読むラジオ』での深刻な悩みに対する的確で親身で誠実なコメントに驚いて、彼のことを認識した人もいると思う。

九月さんは、先述の通

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【マイナス人生オーケストラ】曲が愛されている限り音楽は過去にならない

【マイナス人生オーケストラ】曲が愛されている限り音楽は過去にならない

マイナス人生オーケストラは2019年に解散したヴィジュアル系のバンドだ。私は彼らのことを、LIPHLICHの対バン相手として2013年頃に知った。
両腕に蛍光の腕輪を何十本も付けて、両手全ての指にそれぞれ2つずつキラキラ光を放つ指輪を付けたマイナスの客席が、全員凄い笑顔で楽しそうに踊るのを見て、圧倒されたのを憶えている。

僕の神様

この歌詞の引用を一読すれば伝わると思うのだけど、マイナス人生オ

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【THE YELLOW MONKEY】好きな曲まとめ

【THE YELLOW MONKEY】好きな曲まとめ

イエローモンキーの好きな曲をまとめます。
マイナー曲が多いので、公式引用難しいかなと思ったんですが
最高なことに、過去アルバム曲、公式が曲単位で上げてくれていました。
本当に最高。本当に最高です。ありがとうございます。

Love Sauce

なんて危うくてロマンチックでエロい歌なんだと思います。
イエローモンキーで好きな歌、一番はこれかもしれません。
他にこんな危うくてロマンチックでエロい歌を

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春の花

春の花

春になって、見かける花の名前を。

【乙女椿】

卒業式の頃に咲く花というイメージ。
カメリアはこの花を指すそうです。

【辛夷と白木蓮】

春先に咲く白い花、花弁が外側に開くのが辛夷、
チューリップ型に上を向くのが白木蓮です。
青空にも闇夜にも映える。

左が辛夷、右が白木蓮

【木瓜】

棘があります。桜とか梅に似てるけど、木瓜が一番かわいいと思う。

【沈丁花】

冷たくて甘い匂い。
松任谷

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【BUCK-TICK】好きな曲まとめ

【BUCK-TICK】好きな曲まとめ

見えない物を見ようとする誤解 すべて誤解だ

個人的にBUCK-TICKで一番に思い出す印象強い曲。あまり話題に上がらないのはなぜ。。
初めて聴いたときに驚いたことを覚えています。
ストイックなリフの導入からの、一言目の『宇宙へ出かけよう』の突飛さ、冷めた諦念を帯びた独白のような言葉、めっちゃくちゃ好きです。
当時若かったと思うんですけど、若い人の作った歌と思えない。

CANDY

『COSMO

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春に聴きたくなる音楽

春に聴きたくなる音楽

いろいろ思い出したので書いておきます。
思い出したら追加します。

◆春の朝One/高木正勝

冷たく凍っていた大地から、澄んだ冷たい水がぐいぐい湧き出す生命力のイメージ。
三月の気分にすごくいいと思います。

ピアノ五重奏曲『鱒』/シューベルト

春先の冷たい水と明るい光と、鱒の生命力。美しい。
名曲喫茶でバイトしてた時は、春先毎日かけてました。

小さな魚/谷山浩子

「荒い波をこえてきた 凍

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【Guniw tools】大事なことは古川さんに教わった

【Guniw tools】大事なことは古川さんに教わった

幼い頃、私は「本当のこと」を知りたかったインターネットのない時代に、地方で過保護な少女期を過ごした私は、「世の中で、何を信じて生きたらいいのか分からない」という焦りに苛まれていた。

何を信じていいか分からない、という気持ちは、「世の中というものを知り、生きるための信じるべき価値観・標が欲しい」という不安感の裏返しだったようにも思う。

それから紆余曲折の時間が経って、私は一人の大人になった。

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【LIPHLICH】音楽好きを自認する人にこそ知られてほしい稀代のストーリーテラー

【LIPHLICH】音楽好きを自認する人にこそ知られてほしい稀代のストーリーテラー

今こそ、LIPHLICHの話をしよう

LIPHLICH(リフリッチ)は、ここ十年にわたり、私が見続けているバンドである。
騙されたと思って私の話を聞いてほしい。

「信じる価値のある幻を描ける、今、日本随一のバンドがLIPHLICHだ」
と、私は伝えたいのだ。
信じなくてもいい。
知らないバンドにわざわざ興味を持つ暇な人はあまりいないのは分かっている。

ただ、以下のことに身に覚えがある人は特に

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【OGGYWEST】言葉が好きな人にはラップユニットOGGYWESTをお薦めしたい

【OGGYWEST】言葉が好きな人にはラップユニットOGGYWESTをお薦めしたい

ラップ、ヒップホップは、不良のものだとずっと思っていた。
そういう偏見があって、私は今までの人生で、ほとんどラップやヒップホップを聴かずに生きてきた。
偶発的に私の人生に紛れ込んできたラップは、小沢健二の「今夜はブギーバック」のスチャダラパーのパートと、クレイジーケンバンドがライムスターとコラボしている楽曲数曲くらいのものだった。

「ラップって、全然聞いたことないから見てみたい。ライブやるなら見

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