臨床心理士試験二次試験対策

こんにちは。臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士のまりぃです。

大学院を終了してまだ一桁年の若輩心理職で、臨床心理士試験・公認心理師試験のダブル受験生応援公式LINEtwitterInstagramYouTubeを運営しています。

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以前,「社会人経験者は何を聞かれるか 臨床心理士二次試験」という記事を書きましたが,今年はちょっと本格的な記事を書いてみようと思います。

私よりずっと先輩たちや,私の指導教官たち,私の同期,後輩さんからいろんな話を聞いて収集したものを以下に書いてみますので,これから二次試験を受けるみなさんの心の平安に役立てて下さい。
と言っても,皆さんご存知のように,二次試験で落ちる可能性は非常に低いです。ですから,とにかく安心して,大学院で頑張ってきた自分を信じるのが一番大切なことではあります。
そのことを念頭に,以下の記事をお読み下さいね。

面接では4つの資質を見る

1 臨床心理査定


大学院でどんな査定を行ったか,聞かれたらスムーズに答えられるようにしておきましょう。査定経験が偏っている人は,メジャーな査定を行っていない理由なども答えられるようにしておきましょう。

2 臨床心理面接


どんなケースを持ったか,イニシャルケースはどんなものだったか,思い入れのあるケースは?など聞かれます。それぞれ答えられるように準備しておきましょう。

3 地域援助


人によっては聞かれます。例えば現在の職業や,過去のお仕事が地域密着なものだったり,大学院での研究内容が地域に関わるものだったりすると,「どのように連携するか」など聞かれる可能性がありますので,スムーズに答えられるようにしておきましょう。

4 調査・研究・発表


所属学会や,どんな発表をしたことがあるか,あるいは大学院での修論について聞かれます。何か特筆すべき業績のある人はここで答えられるように準備しておきましょう。特になかった私のような人は,修論について,「なぜそのテーマを選んだか」「自分の知りたかったことはその研究で知ることができたか」など答えられるようにしておきましょう。

面接での評価8つの基準

1)基本的なコミュニケーション資質の確認


 専門家として業務に携わる上での基準となる,社会人としての人間関係を構築・維持していくための基本的なコミュニケーション資質の確認をしているそうです。
 例えば自分自身が不登校経験者で社会経験が少ない人の場合,対人コミュニケーションや最低限の敬語,社会人マナーを身につけておきましょう。また,大学から大学院に進学し,そのまま今回の試験を受ける方は,いわゆる就活や社会人経験を経ていないことがあります。この場合,大人の社会人としての最低限のマナーを身につけておきましょう。
 心理士あるあるで,他の世界を全く知らないために,職場での当たり前の連携やマナーを知らない方が多くいらっしゃいます。自覚がある人は一冊「社会人マナー」みたいな本を読んでおくと良いかもしれませんね(ちなみに,自覚がある人は努力している人なので,大抵大丈夫です)
 あ,面接時の服装については,この項目に含まれると思って下さい。つまり,一般的に「面接」と言われた際に,P反応的に着ていく服を着ているかどうか,ある程度は見られていることでしょう。(でも同期の前職秘書さんは,ちょっと綺麗めの格好で行って合格してましたので,ダメージジーンズとかでなければ良いのではないでしょうか。私は,女性だからヒールを履くという文化が嫌だったので,フォーマルな革靴にグレーのパンツスーツで行きましたが,合格しました。あと,知り合いの男性で,元プリンセス・マコの夫のような髪型にスーツで行って合格した方もおられるので,そこまで前時代的な規範は求められていないと思います)

2)クライエントの利益につながる専門基礎知識


 専門基礎知識は,単なる知識として乱用するのではなく,臨床実践でのクライエントの利益につながる生きた知識として生かすものであることを認識しているかどうか,を確認しているそうです。
 この視点が欠けていると,とにかく技法を身につけようとしたり,やたら検査を実施したがったりします。それがクライエントの益になると信じて,かえって傷つけたり困らせたりしてしまう心理士の爆誕を防ぐため,面接でチェックしているとのことです。

3)現時点での臨床経験の未熟さや,臨床事例体験の不足・偏りなどを自覚している


 まだ院を出て一年未満の方も多く受ける試験です。偏っていること,未熟であることは当然ですが,それを自覚できているか,だからこそこれから研鑽していく心算があるか,確認されます。

4)単なる人生経験や熱意・同意だけでは遂行できない専門業務であること,自分の個人的な利益を優先するための資格でないことを知っている

 これも当たり前のことですが,「私はこうだったからあなたもできるはず」なんていうアドバイスは数多の自己啓発屋さんに任せておきましょう。臨床心理士は,大学院課程を経て,心理療法の訓練を積んだプロです。自分個人の経験は普遍的なものではないこと,自分の熱意だけでどうにかなるものではないこと,もちろん自分の利益を優先するものではないこと,知っていますか?ということを確認されます。
 私の周りでは,特に他職種から心理に来た人にこの質問がされることが多いようです。例えば,税理士さんとか,フリースクール経営者とか,介護事業運営者とか,ある程度利益を追求する必要のある職種から心理に来た人は,たった2年の修士課程だけで本当に,心理職としての物の見方が身についたか確認されますし,学校の先生とか警察官とか,他者を指導する立場にあった方には,修士課程の2年間で,熱意や人生経験でどうにかなる物でないことを理解できたか確認されるようです。

5)SVを受けているか?


 これも前述とよく似た理由ですが,未熟な専門家であることを自覚しているなら,SVを受けているはずです。どんなスーパーヴァイザーを,どんな理由で選んでいるか,聞かれたら答えられるようにしておきましょう。

6)臨床心理面接が,相手の心に直接的な影響を与える専門業務であること,自分の個人的な興味や実験的な興味関心が中心であってはならないことを自覚しているか?

 そのまんまです。例えば修論のテーマを決めた理由として自分のプライベートな経験だけを答えてしまうと,面接官はあなたについて,上記の理解が足りていないと思われることでしょう。
 面接を行うことも,自分の興味や論文のネタとして行っているわけではありません。一つ一つ,自分の姿勢を問い直してみましょう。

7)臨床心理士資格の社会的な責任を自覚しているか


 臨床心理士資格は,汎用性のある社会的な責任を伴う資格です。特に公認心理師資格ができてからは,ダブルホルダーであることの責任は大きくなっていると感じます。ですから,この資格を振り回して,クライエントへの援助以外の目的に転用する可能性がある人は,面接で落とされます。
 例えば早々に自分のカウンセリングオフィスを持っています,という方は要注意。まだ未熟であるのに,もう自分のオフィスを持っているということは,自分の技量を過信しているのではないか,と疑われる可能性があるので,SVをしっかりと受けていることや,なぜ既に個人開業しているのか,きちんと説明できなければなりません。あるいは前述のフリースクール経営者,介護事業所経営者なども,「自分の事業所でカウンセリングします!」ということは,上記と同様に見なされますので,しっかり研鑽を積む予定であることや,未熟である部分をどう補ってクライエントの益に結びつけるか,考えておきましょう。(最近,そのような若手が多いとのことですので,あえて書きました)ともかく,自分の利益のためだけに「臨床心理士」資格を使うことは許されません。

8)職業倫理について自覚し,資格取得後の生涯学習の必要性,資格更新の意味を知っている


 SVは若手だけが受ける物でありません。資格更新ポイントは,貯めることが目的ではありません。2)~7)で述べてきたことが理解できていれば,この項目もまた十分に理解できていることでしょう。

でもきっと大丈夫


 なんて,つらつらと先輩方や教授陣から聞いたことを書き連ねてみましたが,大丈夫です。面接時間は15分ほど。雑談で終わることも多いそうです。
 どちらかというと,私は面接が終わった後,出口がわからなくで困ったことの方が大事件でした(ドアが,壁と同一化しているんです。全然見えないの……試験官の先生に「ドアはあっちです」とか教えてもらっちゃいました)
 なので,大学院でしっかり二年間真面目にやってきたあなたなら,まあ大丈夫。

自信を持っていって来て下さい!
どうしても,不安で仕方なくて,誰にも言えない,というときは,私の公式 LINEに送り付けてくださって大丈夫です。ポエムでもなんでもどうぞ。返事はしたりしなかったりしますので,あしからず。

あなたの合格を,心から願ってます。

まりぃ

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