心理職はコネが大事のほんとうの意味
こんにちは。臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士のまりぃです。
大学院を終了してまだ一桁年の若輩心理職で、臨床心理士試験・公認心理師試験のダブル受験生応援公式LINEやtwitter、Instagram、YouTubeを運営しています。
先日、ひなたあきらさんのこちらの記事を読んで考えたことを少し言葉にしてみようと思います。
私は大学院を出て、いくつかのお仕事を掛け持ちしつつ、ちょっとした自営業をやっています。
掛け持ちのお仕事のうち3つは「臨床心理士」としてのものです。
そして、これら「臨床心理士」としてのお仕事は全てご紹介いただいたお仕事です。心理職はコネが大事という声をよく聞きますが、それにはそれなりの理由もあると思います。
知り合いに仕事を紹介してもらえる最低条件
3つの「臨床心理士」のお仕事のうち、2つは大学院の教授のご紹介です。1つは仲良しの修了生からの紹介です。
さて。
ひどく当たり前のことですが、私以外にもその時仕事を探している修了生はいました。
でも、「複数名に声をかけてその中から公募などで私が選ばれた」のではなく、どのお仕事も紹介元の方から「まりぃさんにどうかと思って」と決め打ちで声をかけられています。
それはどうしてでしょうか。自分で言うのもなんですが、自分で3つほど理由を思いついたので言ってみます。
1、資格試験に合格していた
2、私の「仕事探してる」アピールが凄かった
3、この人になら任せても大丈夫と思われた(多分一番大事です)
まず1は大前提です。なんせ募集側は「臨床心理士」が欲しいのですから。(例えば「意見書」を書いたりするには資格が必須ですからね)
とはいえ、「有資格者でなくても大学院修了生に声が掛かるお仕事」もありますから、院生の皆様には続きを読み進めていただきたいと思います。
2も大事です。先生や先輩が、「○○してくれる人を□□で探してるんだけど、誰かいない?」と言われた時に、頭に知り合いのリストが浮かんだとして、優先して浮かぶのは「仕事探してるんです!」と言っている人でしょうから。
さて、ここからは先程以上に自分で言うのもなんですが、それでも自分で言ってみようと思います。というのも、これこそがM1さんM2さんに必要なことだと思うので。
この人になら任せて大丈夫と思われる人材とは?
突然ですが、院生の皆さん。研修生の皆さん。
カンファレンスで発言してますか?
ひなたあきらさんがTwitterで「仕事の依頼があって、ハイ分かりましたと答えたときには内容が大まかに頭の中で構成されている必要がある」(まりぃ意訳)と呟いていましたが、心理のお仕事に必要な力は
1、頭の中で考えることが出来ること
2、考えたことを他職種やクライエントに伝える力があること
3、1と2にはタイムラグがない方がいい(瞬発力が必要)
の3つです。大学院のカンファレンスは、この力を鍛える場でもあるわけです。
私の出身院もそうですが、院生さん研修生さん、なかなか発言しませんね。
熟考してることもあるでしょうし、「考えたことを言ってどう思われるか」先生の評価や人目が気になることもあるでしょう。
でも、でもね。
それじゃあ上記の3つの力を持っていることが、教授陣や先輩方に伝わらないわけです。
結果……
先生や先輩が、「○○してくれる人を□□で探してるんだけど、誰かいない?」と言われた時に、頭に知り合いのリストが浮かんだとして、「あ、でもあの子言語化苦手だから仕事振れないな」とはじかれてしまうわけです。
もったいない!!!
カンファレンスは練習の場であり就活の場であると心得よ
そう考えると、私はカンファレンスで喋りすぎる方で、「ちょっと黙れ」くらいの院生でしたし、査定演習などでは必ず、自分の見解をまとめて述べるようにしていました。
もちろん、最初からきれいにまとめて話せたわけではないし、未だに何言ってるかわからなくなることもあります。それでも、最初よりは今のほうが、論点をまとめ、根拠を説明し、自分の考えを述べることができるようになったと自負しています。
つまり、頭で考えたり、カンファ資料に書き込んだりするだけでなく、考えを口からアウトプットしてみる練習をしているのとしていないのとでは大違いです。
カンファレンスは心理にお仕事に必要な3つの力を鍛える練習の場であるのと同時に、その能力を(仕事を振ってくれるかもしれない先生や先輩に)見せる絶好のチャンスでもあります。
なんなら院生の期間全部を用いて就活しているくらいの気持ちでも良いかもしれません。
「心理職はコネが大事」のほんとうの意味
というわけで、心理職はコネが大事というのは本当だと思います。
自分も自営業を初めて思うのですが、IND○○Dとかで募集をかけても、本当にちゃんとスキルのある人が来るのか不安に思いますし、ちょっと変な人だったら困るなぁ、と思うわけです。
それよりは、知り合いから「知り合いに○○と△△ができる人がいるんだけど雇わない?」とスキル持ちであることと、知人によって人格などが保証されている人を雇うほうが数倍気が楽です。
心理職を雇う側には「してほしい検査」や「書いてほしい書類」「してほしいセラピー」があります。つまり、「できる検査」や「できるセラピー」「どれくらいの社会人スキルが有るか」などが分かっていないと、心理職を雇いにくいわけですね。
つまり、心理職が「きちんと心理職できるか」見極めて雇いたいために、「誰かの保証」=「コネが大事」となってきます。
終わりに
たらたらと(自慢のようなことを)書きましたが(自慢じゃないです)、臨床心理系大学院生の皆さん、秋学期からはカンファレンスで発言しましょう。
そして、「仕事探してます!」「〇〇系の仕事を常勤で(週何日くらいで)探しています」と具体的に、声を大にして先輩や先生に言いましょう。
きっとあなたの努力は報われます。