対岸のジョーダン

私の実家は線路沿いに建っていて、電車が通るととてもうるさい。テレビの音が聞こえなくなるほどで、ちょっと涼しくなって窓を開けてる今の時期なんかは更にうるさい。

電車がうるさいのはさておき線路の向こうからバスケットボールか何かをドリブルするような音が聞こえる。植え込みがあるので向こう側は見えないのだが、線路の向こうは同じような住宅地である。たぶんバスケの練習をしているんだと思うが、これがほんとにすごくて、ほぼ毎日練習している音が聞こえてくる。

私も昔は毎日ピアノを練習していたものだが最近は怠惰なのでなにもしていない。

習慣を変えれば人生うまくいくみたいな話があるが、毎日なにもできてない私には辛くなってきてしまうので苦手だ。

なんでも毎日の積み重ねが大事で、継続は力なりで、続けていくことが大きな力とか自信とかになるのはよくわかる。
ピアノやってたからね。練習すればするほど上手く弾けるようになる。

いつからこんなに怠惰になってしまったのか。たぶん高校くらいまでは未来に希望が持てて、大人になったらあれをしてこれをして、楽しみなことがたくさんあったはずなんだけど、気がついたらピアノもあんまり弾かなくなってしまったし、何もかも疲れるようになった。

病院にかかってるので多少の暗い発言は許してほしいのだが、時々、生きるのが嫌で嫌で、この先も判断と行動を何度も何度もしなければならなくて、ご飯を食べないといけなくて、眠らないといけなくて、起きていたくもなくて、消えてしまいたくなることがある。未来を見ていなくてはいけないのがほんとうに苦しい。

ほかの人たちはどうなのかな。昨日同じ電車に乗っていた人たちは何を考えて生活しているのかな。同じように苦しくなることがあるのかな。線路の向こうのバスケ少年(仮)はどうだろうか。

毎日練習を続けられる人に憧れる気持ちがあるだけで、ちっとも行動に移せない。インスタグラムでアクセサリーとか作る動画をぼんやりみてるのもすこし辛くなってきた。やる気のない自分の怠惰な毎日がチラつくからだ。
たぶん少し休んだ方がいいんだと思う。半年くらい休んでたはずだったんだけど逆効果だったかな

休めば休むほど休むしか出来ない自分にイライラするので職業訓練校を申し込んだが、行ったら行ったで大変なんだろうな。

取り留めのない感じになってきてしまったが、とにかく毎日練習するということができているバスケ少年(仮)はすごい。
ドリブルの音が聞こえてくると「今日もやってるな」「ちゃんと続けられて偉いな」「わたしはなんてダメなんだろう」「わたしも何かやらないとな」と複雑なきもちになってくる。

わたしもちゃんと気力がある人間に戻れるだろうか。働き始めたら変わるだろうか。
今日くらいは少しピアノを弾いてみようかな

おわり