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マッチャー(matcher)でOB訪問を受けた話_その2

初のOB訪問を受け終えて約1ヶ月後。別の学生さんから申し込みがあった。私がいるIT業界について相談があるそうである。

学生のプロフィールを見る。中部地方の大学に通っており、4ヶ国語が操れ、企業経験あり、国際的なスポーツ組織での活動経験あり、とかなり経験豊富そうな学生さんである。

約束の30分前にカフェに到着し席を確保し(※コロナ禍前の話です)その旨を学生さんにメッセージすると、なんとすでに到着しておりPCで別の作業をしていた。時間を有効に使うビジネスマンを感じる。すごい。

相談内容は、私の所属するIT業界の仕事内容…ではなかった。大学卒業後に地元に帰って恩返しをしたい、具体的にはスポーツのイベントで盛り上げて活性化したい、その手段としてITを使いたいがどんな方法があるか?といったものだった。

参った。いきなり難題を突きつけられた。私は新卒でSIerに入り、BtoBのシステム構築しか経験がない。彼にとって参考になるネタはなかった。私の遊び仲間でスポーツベッティングのイベントを企画している社長さんがいたので、その人のホームページを紹介して終わった。

印象的だったのは、彼が常にニュートラルな対応だったことである。感情を表に出しすぎるでもなく冷たくあしらうでもなく、参考になるところは取り入れようとする姿勢だった。良い意味で学生らしさがすっかり抜けていた。

自分の無力感を少し感じた。同時に住む世界が違うな、とも思った。

この気分は以前にも味わったことがある。自分が大学院生の時である。いくらもがいても教授の言うことがわからず、周囲との差は広がるばかり。できる先輩方は自力で企業したり博士課程に進学したりと、我が道を突き進んでいた。

一方の私は周囲のサポートを受けても物事を進められず、このまま研究室に居続けても不幸になるのは目に見えており、就職するしか道はなかった。

いや、就職するの普通だろ!と思っているみなさま。確かに世間一般的にはそうなんですよ。ただ、世の中には進学や起業がデフォルトで、就職は負け組みたいな雰囲気の研究室もあるのですよ(今はもうはないと信じたい)。

そしてそのコミュニティにどっぷり浸かると、そこの価値観が普通になってしまうのですよ。なので話は飛びますが、ブラック企業から抜け出せない人の気持ちがなんとなくわかってしまうのですよ。

「やりたいこと」「できること」「いくらやってもできないこと」この3つを認識していないと、理想と現実のギャップに苦しむことになる。自分にあった環境選びが大切だ、という考え方が身に付くのはまだ先の話であった。

それにしても、、、マッチャーは就職活動中の学生さんに会うと思っていたが、良い意味で肩透かしをくらったような感じだった。

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