私がマッチャーでOB訪問を受け続けている理由(1年目:罪滅ぼし)
新卒で入った会社に勤めて5年ほど経った時のことである。
1人暮らしをしていた私のアパートに封筒が届いた。手書きである。中を開けてみるとOB訪問の依頼だった。そういえば私は、卒業生として、通っていた大学に住所を登録していた。
おそらく学生はその情報を頼りに、私に手紙を書いたのだろう。一文字一文字、丁寧に書かれていた。
私は困った。当時は仕事があまりにも過酷で、終電帰りも珍しくなかった。日々戦場に向かっているような感覚で疲れ果てていた。
こんな疲れた状態ではまともに対応できない、とても今の会社を勧められない。いや、そもそも自分は自信を持って仕事をしておらず、会社のことも何もわかっていないではないか。
そんな思いが駆け巡り、学生の質問にうまく答えられない自分を想像し、学生に会うのが怖くなってしまった。封筒は何日か食卓テーブルに放置された。
そしてある日……たまらなくなった私は、封筒を……ゴミ箱に捨ててしまった。
それから10年後。SIerから社内SEに転職した私はワークライフバランスが良くなり、心に余裕が持てるようになった。そんな時にマッチャーというOB訪問サービスがリリースされたことを知る。
あの時は無理だったが、今ならOB訪問を受けられる。手紙をくれた学生にはもう会えないが、他の学生の力になることで罪滅ぼしができるのではないか。
また、社会人経験を積み重ねたことで、システム業界の話だけではなく、無理をしない働き方のアドバイスもできそうだ。よし、登録しよう。
そんな思いで私は、マッチャーデビューした。
■編集後記
学生の皆さんゴメンなさい!
勇気を出してOBに連絡しても音沙汰がなかった・・・そんな時はOBが疲れ果てているのかもしれませんよ。
それではまた次の記事でお会いしましょう。