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入梅イワシの食べ方 Sardinhas ao estilo japonês

あまり和食が好きではない。理由は後ほど述べるが...それでもやはり自分の食の好みの根っこは日本人的であると痛感するのは、「美味い魚は生で食べたい」という衝動を抑えられない時。'81年生まれの俺からすると「カルパッチョ」という料理は西洋風の刺身の事かと思っていたが、wikipedia先生によるとそもそもカルパッチョとは生の獣肉料理のことでありヨーロッパ人はそう当たり前のように生魚など食わん。生魚のカルパッチョはどうやら景気が良かった...俺が子供時代の日本で生まれた創作イタリアンが発祥であるようだ。考えた人超Good job。

さて今年も六月がきた。梅雨入りだ。

誰が呼んだか"入梅鰯"。
ここ東京の魚屋でも脂ののったマイワシが一匹¥60や¥70で山と並ぶ。俺はどうしてもそれをワインと共に、生で食いたい。レシピにGO。

【材料(2人前)】
・イワシ(新鮮なもの)5尾... 捌き方はググると色々出てきます!
・大葉...5,6枚程度
・生姜...30g弱(多めが美味い!)
・長ネギ...20g程度お好みで
・レモン or 梅酢...大さじ1くらい
・塩...ひとつまみくらいお好みで
・オリーブオイル...大さじ3くらい
【手順】
①生姜、大葉、長ネギをとにかく細かくみじん切りにして混ぜる
②さばいたイワシを小骨の向きに沿って薄く斜めに削ぎ切り並べる
③イワシにお好みで塩を振る(梅酢を使う場合は塩はごく少なめに)
④イワシに①をふりかける
⑤レモン汁 or 梅酢をざっとふりかける(量はお好みで調整)
⑥オリーブオイルを回しがける

本日もいたってシンプルでお粗末でございます。

ポイントだと思うのは薬味をとにかく丁寧に細かく刻むこと。すりおろしやミキサー的なものを使うと心地よいシャキシャキ感が減じてしまうので...めんどくさいけどチマチマ刻むこと。大葉は千切りにしても良いです。並べ方や盛りつけ方は...自由!!気分で!

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そのまま刺身にして生姜醤油で食えば良いではないか、というご意見もあろうが...それだとワインに合わんのだ。そこでオリーブオイルをかけてレモンや酢で塩分を少し減らす。オリーブオイルでコーティング?された生魚は冷えた安い辛口白ワインともバッチリ。て感じ。

もちろん生姜醤油の塩っぱさと旨味で冷酒やぬる燗なんて最高に決まっているのだけど、俺はどうも日本酒を飲むと身も心も重くなるから...

私見だけど、ざっくりいうと西欧料理って「上手くなる方程式」を守れば多少雑に作っても美味くなる。でも和食は...そもそも火すら通さなかったりするので「切り方」とか「素材の時期や捌き方の見極め」や、そういうアティテュードをすごく問われるし...「方程式」を皆でシェアしたところで常に個々人の態度や振る舞いを意識せなあかん感じで、良くも悪くも狭い。窮屈。美濃弁で言うとツモい。いや、もちろんしみじみ深いモノはあるんだけど... でも、イワシとか鮮度悪いの生で食ったら下手すりゃ死ぬもんね。庶民の食卓に生で食って安全なイワシが当たり前のように届くための手間や技術やコストってそれだけでも結構大変なんじゃないか。お隣のメシウマ大国、台湾の魚市場とか行ったって獲れた魚がろくに締められもせずオガクズの入った箱に無造作に入れられて売ってたりするからな。何つうか、日本はその辺の、魚介素材への執着がやはりすごい。魚の料理法はどこにも美味しいものがあるけど、獲り方、殺し(しめ)方、保存の仕方、運び方、そして並べ方や捌き方の技術ってのは日本はかなり抜きん出てるんじゃないのかな、といろんな国の魚市場行って感じる。知らんけど。

でもそれを白米を中心とした食卓で、主食をモリモリ食いながらツマむのは、重い。何つうか、糖質中心の食事重い。日本酒と醤油と刺身も、旨味が膨らんで、旨すぎて、重い。香りの複雑さとか、脂の調合の妙とかそう言う立体的なものがなくて、ひたすら舌の上で感じる圧倒的旨味と強めの塩味中心の平面的に染み入る重さ。

俺は和食のそういうところを恐れるのです(リスペクトはしてる)。

ウチはだいたい食事中は好きな音楽かけるし、友人を呼んでワイワイ食うのも好きなのだけど、和食のメソッドや心持ちを中心に食卓を展開するとやっぱりちょっと「ウワーイ」てな感じで開けっぴろげな心で飯が食いにくいのです。性格だろうな。

そのようなわけで、生魚を食いたいニッポンの心をオリーブオイルでくるみ、醤油はちょっと我慢して、冷えた白ワインでグビグビ流し込んでおります。

...

せっかくなのでヨーロッパでのイワシの思い出を。

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六月は大好きなポルトガルのリスボンも街の守護、聖アントニオの祝祭。俗称、イワシ祭り。町中至る所で炭火グリルで焼き焼きモクモク。炭火焼の魚は冷えたワインと最高なのだが...

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現地の友人が「これが本当の名物やで!」と言ってこのイワシのせパン持ってきたときは正直
「もちもちの白米と大根おろし持ってきてくれ(ありません)」
とも思ってしまったな、最初は。笑

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しかし梅雨時はなぜか腰の古傷も痛むし、同じイワシ食うにしてもカラッとした南欧に行きたい気持ちは...ありますが、あちらじゃ生では食うのはムズカシイ、てことで...今年はコロナウイルスの影響でツアーも無理だし、東京の梅雨を堪能いたします。

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