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「法然と極楽浄土」展で思った、人が考えるプロデュースプランは平安時代から変わらない
2024年のゴールデンウィーク、皆様いかがお過ごしでしたか。
私は主に普段できないダラダラ生活を満喫していましたが、最終日は何かこれをやったぞ、と言えることがしたいと思い、東京国立博物館で開催されている「法然と極楽浄土」を見てきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715140430390-4ZNKVaKyYC.jpg?width=1200)
平安〜南北朝、鎌倉、江戸時代まで、法然、法然の弟子たちが積み上げてきた貴重な書類、絵巻類、法然上人像、阿弥陀如来像などをじっくり見てきました。
以前から展示会で仏像や巻物を見るのは好きでした。こうして1000年以上前のものが令和の今まで大切に残されていること、ご先祖さまたちの残したものたちに、単純に感動してしまうんです。
それと同時に、ひとつの宗派が広まるまでに行われた様々なアプローチは、現代でも普通に行われているものばかりだなあと感じました。人の心理や行動原理は変わってないことも同時に感じられます。
そこで以下、法然と弟子たちが行ってきたことを通じて思ったことを書き出してみました。歴史に関する無知な部分はお許しを。
強烈でシンプルなキャッチコピー
御存知の通り浄土宗は「阿弥陀仏の名号を称えることによって誰もが等しく阿弥陀仏に救われ、極楽浄土に往生する」という、とてもシンプルな内容で広がり、現代でも支持されています。
これはつまり、怒られそうなくらいの超・意訳をすると
「南無阿弥陀仏と唱えるだけであなたも死後は極楽浄土へ!」
ジャパネットたかたばりのシンプルな宣伝文句ですよ。
人間が死んだあとの状況は現代になってもはっきりしたことはわからないわけですが、当時の人々ならなおさら、この一言でそういった恐怖を払拭できたのではないでしょうか。
さらに展示されていたものには「聖徳太子や行徳なども南無阿弥陀仏と唱えて、極楽浄土へ行きました!」ということを説いた書物もありました(名称は失念、メモって来なかった…)。これって、現代でも「女優の◯◯さんの美の秘訣」なんて感じのコスメのCMとかありますよね。冷静に考えれば「聖徳太子が?マジかよ」と一瞬疑心暗鬼になるわけですが、(仏教を広めた人ではある)やはり「著名人も使用してます」は強いアピール力があるわけです。
ビジュアルでのアピール
法然上人の経歴を文章と絵画で表現した「法然上人絵伝」の展示もありました。創始者とか創業者が今日に至るまでのストーリーを語るというアピールも現代で行われていますよね。
この絵、法然の話を聞いてる人たちの姿も描かれているのですが、端っこのほうに子どもらしき人がいて、彼らはそっぽを向いており、誰がどう見ても話を聞いてないんですね。そこが割とリアルです。完全に、話に飽きて持て余してる顔でした。逆になぜ描き足した。
また、極楽浄土へ行く瞬間の「イラスト」も作成されています。
修理後初公開となる国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」(京都・知恩院蔵)
— 特別展「法然と極楽浄土」 (@honen2024_25) April 28, 2024
表装も美しく、鮮やかなオレンジ色です。
早来迎は本展の図録の表紙も飾っています。
公式図録は¥3,000(税込)で、394ページの大ボリュームです📙
早来迎の展示期間は5月12日(日)までなので、お見逃しなく!#法然展 pic.twitter.com/AoQWX8xGpR
阿弥陀如来と菩薩の皆様が雲に乗って空からこうやってやってきます!という図。美しいですよね……。空から斜めに降りてくるというダイナミックな表現も素晴らしいです。
でも待って、死んだ直後のことなんて実際のことは誰にもわからないわけです。本当にこうやって阿弥陀如来がやってきたら私なら腰抜かしそう。
どうやって浄土宗を信仰していた人を判別しているのか、認証システムでもあるのか、そして毎日亡くなる人がかならずいる中、全部をどうやって捌いているのかなど気になることがたくさん!
また、狩野一信という江戸時代の絵師が書いた「五百羅漢図」の展示もありました。撮影は出来なかったので、参考ポストより。
狩野 一信 かのう かずのぶ kanō Kazunobu 1816–1863
— 日本美術史bot - Japanese Art History bot (@NihonBijutsushi) April 27, 2024
「五百羅漢図」《神通》第57幅
1854–63年・19世紀・江戸時代
絹に彩色・掛軸100幅のうち
東京・増上寺 pic.twitter.com/0VgeNpMRhS
正直絵柄が怖い。けどインパクトは絶大。
誰もはっきりとはわからない死後の世界を、こうやって美しいビジュアルで見せられたうえ「南無阿弥陀仏と唱えていれば…」と、比較的ライトな感覚で「その気」になってしまった人もたくさんいたでしょう。
大物のマネ?をする
こちらの絵は、法然上人がお亡くなりになったとき、弟子たちと動物が周りを囲んで悲しんでいたという図です。
この人だかり、まるでコーチェラ?
— ニコニコ美術館(ニコ美) (@niconico_nicobi) April 20, 2024
フェスのステージ前に集まったように見えるのは、入滅した #法然 を取り囲む140名の弟子や動物たち…
今夜の #ニコ美 は #法然と極楽浄土 展から生中継!
18時からライブ配信
▷ https://t.co/EeUpwBVXnP https://t.co/VNUTzKeFSR pic.twitter.com/g8DXiGUlWI
本当にこれくらいの人が集まったのかもしれませんが、この状況、ブッダの入滅時と同じですよね。あえて同じにしたのかなとか思ったり。集まってるのはお弟子さんたちなので、本当にこれくらいの人数は集まったかもしれませんが、それにしてもなぜわざわざこの絵を描かせたんでしょうね。
大口顧客の獲得へ
浄土宗はやがて、松平氏から始まって徳川家からの篤い信仰を得ます。いわば大口顧客の獲得に至ったわけです。ここまでくれば大成功と言っていいでしょう。実際、現代まで信仰は続いているわけですからね。
徳川家康が「南無阿弥陀仏」と写経を続けた「日課念仏」の展示もありました。大河ドラマ『どうする家康』を観てた方ならすぐにわかるはず、松潤が書いてたあれです。他の美術館のポストですが参考まで。
元和2年(1616)4月17日、#徳川家康 が亡くなりました。
— 泰巖歴史美術館 (@taigan_hm) April 17, 2024
画像は、晩年に家康が自らの信仰を示し、滅罪を願って「南無阿弥陀仏」の六字名号を連続で書き記したとされる日課念仏です。たくさんの「南無阿弥陀仏」のなかに「家康」の文字が1カ所あります。みなさんも是非探してみてください。 pic.twitter.com/hcJ2Rw3F1P
どんなにいいものでも、多くの人々に知ってもらう努力は必要なわけですが、こうして布教活動の足跡を見ていくと、アピール力の高い人はやはり生き残っていくこと、人々に「刺さる」やり方というのは太古の昔から変わっていないんだなあと感じた次第です。
貴重な展示物の数々は素晴らしいものばかりで充実した連休の締めくくりとなりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715655246810-4b2t9sFzAI.jpg?width=1200)
と同時に、自己アピールが大の苦手という自覚があるので「やっぱりこういうことをやっていかないと広まらないのよね〜」とつくづく思った次第です。
今後どうアピールしていくか・・・ツイキャスです
たびたび占いイベントに出演して鑑定を行っているわけですが、常にアピールは必要。動いている人に乗っかってしまおうということで、5月17日(金)、ツイキャスに登場させていただくこととなりました。
こちら!
17日(金)21:30からツイキャス配信のお知らせ📢
— 晴海プラム@ワンドの女 (@harumiplum) May 13, 2024
マジカル4カルテットのみなさんをお迎えします💕
ツイキャス配信(5/17(金) 21:30配信予定)|晴海プラム@ワンドの女(タロット占い) @harumiplum #note https://t.co/gJzTUc4Ty5
晴海プラム先生が始めたツイキャス配信「晴海プラムの占いCAFE」。ここに占いユニット「マジカル4カルテット」が集まります。金曜の夜、占い師たちが集まって何を話すのでしょうか。あなたの1時間程度、わたしにください♡
(吉高由里子がやるからかわいいのであって…)