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生成AIが炙り出す人間らしさの退屈

第170回芥川龍之介賞を九段理江さんの中編小説『東京都同情塔』が受賞したのはちょうど1年前のことでした。世間の変化ともシンクロして、ずいぶんと話題になったので憶えていらっしゃる方も多いと思いますが、九段さんが受賞会見で「全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っている」と述べて、賛否両論が沸き起こりました。海外メディアもとりあげるほどのインパクトを残しています。

九段さんは、その後のインタビューで、実際には作中に登場する「AI-built」という生成AIが生成した文章として、ChatGPTの文章をそのまま使ったのみであり、すべてまとめても1ページに満たない量で「5%」は言い過ぎだったと訂正しています。

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