コラム~アメリカ大統領選挙~
米国コロンビア大学院留学時、私の暮らすニューヨークは、ヒラリー候補 VS トランプ候補の話題で持ちきりでした。時、「メキシコとの国境に壁を作る」と言っていたトランプ候補に対して、(アメリカ人が絶望してカナダに向かうため)「トランプ大統領になれば、必要なのはカナダ国境の壁」といったジョークが流行っていました。
帰国後、予想に反してのトランプ政権誕生は、日本国政府内にも大きな混乱を生みました。オバマ政権の延長として政策の方向性・人脈の把握ができるヒラリー候補に対して、トランプ政権の動向は「全く予想ができない」状態でした。新政権が、米国政権内の事務レベルの責任者まで更迭したことで、「交渉相手もいない」状態にも直面しました。
本稿執筆時点で米国新政権の行方は不透明ですが、誰が大統領になったとしても、日米で協力できる政策ラインナップを探り、交渉すべき点を見極め、その中で、信頼関係と交渉のパイプを定めることが重要になります。今、大切なことは経済・安保両面において、米国新政権に対して「備える」ことです。そのためには、我が国の政治が混乱するようなことがあってはなりません。