見出し画像

地元の企業へ就職するのも悪くない

私のような地方の田舎経営者の視点からは、若者が都市部へ流れていくのが如実に分かる。
サラリーマン経験が殆どない私としては、ビジネススピードの速い都市部で思いっきり仕事の経験を積めることは羨ましい。
若者が都市部へ流れていくのは致し方ないと思う。
しかし、地元の企業へ就職するのも悪くない。
今回はこの辺りのことを書き綴っていく。


上場企業に勤める義弟

妻の弟は、上場企業に勤めている。
私と同じ年の妻より7つほど下で、現在は36歳。

私は義弟が中学生の時から知っている。
偏差値60程度の高校へ進学し、それなりの大学へ進学した。
そして、その後は上場企業へ就職。
自ら転勤を希望し、数年に一度、関東・東海地区で転勤を繰り返していた。

そんな中、妻へ義父から電話があったそうだ。
「私には言うな!」という前提の秘密の話。
しかし、妻は秘密に耐えられず、見事に私へ打ち明けてしまった。

どうやら、義弟は約500万の借金を背負っているらしい。
義弟から「金を貸してくれ!」と言われても、絶対に貸さないで欲しいと言う電話だったらしい。

義弟の年収460万円とのこと。
本題は後回しにするが、ひとまず500万という借金はおかしい。
私は個人として金を借りた経験がないので、そういったことに詳しくはない。
しかし、最近では「年収の3分の1まで」というルールになっているのは知っている。
普通の消費者金融に単一で借りている気がしない。
福利の利いた多重債務だろう。

この件を聞いてしまって、思うところがあったため、私は義父へ連絡した。
その上で、私の会社の顧問弁護士に問題の解決を打診したところ、意外とあっさりと解決した。
どうやら、200万程度を分割で返済することで解決へ向かうことになったようだ。

――― さて、ここからが本題

私には、上場企業に勤めていて36歳で年収460万ということに違和感がある。

36歳の年収感

厚生労働省の調査によると、36歳の平均年収は以下ような感じらしい。

・大企業(社員1000人以上) 655万
・中堅企業(社員1000人未満) 515万
・中小企業(社員100人未満) 451万

義弟は間違いなく、大企業に該当する会社に勤めている。
しかし、その大企業の平均年収を大きく下回っている。
もちろん、中央値ならまだしも、平均値など大してアテにならないものだが。

――― 大企業(上場企業)は給料が高い?

とても、疑問だ。

地元の優良企業

義弟の父である義父は、地元の優良企業に勤めていた。
その会社一筋、再雇用で65歳まで勤め上げた。
今でも、その関連会社で週に数日、アルバイトをしているようだ。

おそらく義父も、義弟の年収を聞いた時、ビックリしたに違いない。
もちろん、一般的に考えて十分に生きていける年収ではある。
しかし、上場企業に勤めている息子が意外と年収が低く、借金で困っていると聞けば、ダブル以上のパンチを喰らった気になったと思う。

――― 若い人たちへ、伝えたいこと

意外と、地方で就職するのは悪くない。
特に、地元で就職することは、なかなかどうして良いものだと思う。

中小企業と言うのは、有名ではない。
むしろ、全く名前を知られていない会社が多い。
特にBtoB企業の場合、地元に住んでいても気配すら感じない会社が多いと思う。

しかし、経営者の目から見て「優良企業」は、たくさんある。
知名度こそないが、立派な仕事をしていて、給料も上場企業に引けを取らない。
むしろ、人数が少ない分、成果が給料として還元されやすい可能性もある。

――― 問題はそんな会社の知名度だ

知名度がないため、そんな会社の良さが地元の人々へ伝わっていない。
リクルート側もすぐ手前にある優良企業の存在に気づいていない。

私は、長男の義弟には、地元へ戻って来て欲しいと思っている。
義父の紹介で、かつて義父が勤めていた優良企業に入れる可能性が十分にある。
特定の何かに対して、野望に燃えているわけではないなら、地元は決して悪くない。

最後に、若い人たちへ一言。
地元の優良企業のことは、地元の経営者に聞くと良い。
世の中は、会社四季報だけが全てじゃない。


いいなと思ったら応援しよう!

そこらへんの経営者
サポートに感謝申し上げます。 執筆活動のクオリティアップに精進致します。