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器用貧乏な経営者

私は、器用貧乏だ。
昔はそれがコンプレックスだった。
ただ、今は器用貧乏も悪くないと思っている。
今回はこの辺りについて書き綴っていく。

器用貧乏が悩みの種たっだ頃

私は、陸上競技の運動能力が著しく悪い。
また、圧倒的な文字の汚さを誇る。
そして、切望的な絵描きのセンスで、ドラえもんとスネ夫すら、まともに描けない。
以前、飲み屋で無理やり絵を描かされ、意図せぬ壮絶な笑いをとったことがある。

ドラえもん、スネ夫、ジャイアン(?)

ただ、不思議なことに、それ以外のことに関しては、おおむね平均点以上は出せる。
学生時代に成績的なことで困ったことはない。
これだけ聞くと、良いことのように聞こえるかもしれない。

一方、器用貧乏として、特出した能力がなかった。
嫌な言い方をすると、何をやっても1番にはなれなかった。
1番どころか、上位1割にも入れなかった。

特別な想いを持って、一つのことに打ち込んだこともある。
しかし、それでも1番にはなれない。
これは、なかなかの苦汁だ。

――― 器用貧乏コンプレックス

それが、20代が終わる頃まで続いたと思う。

オールラウンダーの働き方

若い頃の器用貧乏は、悩みの種かもしれない。
しかし、器用貧乏も数十年続けば、オールラウンダーに成れる。

先日、急な出張が決まった。
週末のイベント関連の仕事だ。
スタッフの予定が悪くなり、私が代打になった。

イベント関係の仕事だと、機材を搬入する必要がある。
そして、車に機材を積んで行くことになる。
業務では、技術的な要素と営業的な要素が必要になる。
だから、本来はスタッフ2人で向かう。

しかし、私なら一人で十分だ。
土建作業員として鍛えられた車の運転技術と機材の搬入出技術がある。
機材を操る技術も十分に理解の範囲内だし、営業も決して苦手ではない。
お陰で今回はスタッフ二人の貴重な週末を保障することができた。

ちなみに、私の会社では、週末のイベント関連で出張した場合、そこで得た利益は本人に賞与として100%還元するルールになっている。

――― 週末、単身、京都へ乗り込む

私(役員)の賞与は、臨時で調整することができない。
だから、その分100%を京都の夜で経費として消費する覚悟で向かう。

オールラウンダーのメリット

オールラウンダーがいるメリットは大きい。

・他のスタッフの代打になれる
・代打がいることで他のスタッフが安心する
・仕事内容によっては、一人で二人分以上の担当ができる

何よりも、各得意分野が集まった集団の中で、各分野を横断してチームをまとめることができる。
もちろん、各分野において、各専門家には全く敵わない。
しかし、居ると居ないでは、大違いだと感じている。

私の会社には、私以外にもオールラウンダー担当はいる。
しかし、私が経営する複数の会社を横断してオールラウンドプレイができるのは私だけだ。
手書きの書類をつくること、デザイン的な分野以外は、おおよそカバーできる。
この点は、経営者として器用貧乏出身だということに助けられている。

――― 器用貧乏にも、戦い方がある

もし、自分が器用貧乏だと悩んでいる人がいたら「チームをつくる」ことをおすすめしたい。
器用貧乏は、オールラウンダーのことだと思えばよい。
そう考えるだけで、チームの中に居場所ができる。
せっかくなので、チームリーダーを目指してみるのも面白い。
意外と、器用貧乏は、リーダーに向く。

ナンバー1にならなくてもいい

続いて「元々特別なオンリーワン」。
この歌詞が嫌いだった。

「2位じゃダメなんですか?」。
このフレーズも大嫌いだった。

オンリーワンなど、誰もがそうに決まっている。
自分がナンバー1になることに拘っていた。
そうでなければ、いけないと思っていた。
ナンバー2を目指すなど、言語道断。
そんなことでは、ベスト10より圏外へ飛んでいく。

経営者になって、スタッフと働くようになって、チームができた。
それで、私は変わった気がしている。

――― チーム戦で勝てれば、全て良し!

ナンバー1は、引き続き目指したい。
しかし、個人戦のナンバー1は、もう、どうでも良い。
そういうことは、名も知らないこの世の誰かに任せた。


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