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【雑記】二人の弟子を取る

最近、二人の弟子を取った。
それぞれ別の目的で師事された弟子だ。
また、経営者の部下としてではない。
今回はこの辺りのことを書き綴っていく。


一人目の弟子

少し前、建築会社を経営している先輩から連絡があった。
息子(18歳)の進路相談に乗って欲しいとのこと。
嫌な予感しかしなかった。

話を聞いてみると、その息子は高校入学後、すぐに退学をしたそうだ。
そして、通信制の高校へ行きなおした。
人とのコミュニケーションに傷つき、コミュニケーション障害を患ったとのこと。
そして、大学、専門学校への進学は、頑なに拒否をしているとのことだった。

その上で、彼は「ゲームプログラマー」になりたいと言っているらしい。
ただ、どんなキャリアを積めばいいのか全く分からない。
そこで、「パソコンに詳しそうな」私に進路相談をしたというのが経緯だ。

――― 本人が一人で直接相談に来ること

最低限の条件として、これを伝えた。
すると、3日後に本人から、たどたどしく、文章に切れ目のない、まだ幼い文面のメールが届いた。

――― 火曜に行っても良いですか?

メール送信日は、月曜の夕方。
さて、前途多難な進路相談の予感だ。

本人の話を聞いてみた。
18歳なら、こんなものかな?という印象。
「大卒」という水戸黄門の印籠のような価値を理解していない。
ただ、熱意は認める。
熱意の使いどころがまだ分かっていないだけなのだ。

その後、彼の両親とも話をして、彼の可能性を設計した。

・高校卒業後、とにかくどこかで働く
・今すぐ、プログラミングスクールへ通う
・一日4時間以上、プログラミングの勉強をする

プログラミングスクールは、私の経営する会社が運営しているところを紹介した。
スクール運営スタッフには「最恐の教育強度」を施すように伝えておいた。
そして、ゲームプログラマーとして必要な学習は、順次私が宿題を出し、その成果を定期的に確認することになった。
もちろん、これは業務外、無報酬のボランティアだ。

参考程度に、私がギャグでつくったゲームを彼に見せた。
私自身を3Dスキャンしてつくったリアル3Dアバターがスーツ姿でバットを持って、特に意味もなく、草原や森林でモンスターと戦うミニゲームだ。
これは、私が数年前に「人間の3Dスキャンデータ」と「Unity」というツールの検証と学習のためにつくったもの。
彼は、これに甚く感動したようだ。

――― こうして、彼は弟子になった

彼には既に厳しいことを伝えてある。
ゲームのエンドロールでプログラマーの名前を見たことがあるか?
数を数えればすぐ分かるが、とても少ない。
ゲームプログラマーは、世の中のプログラマー全体の1%もいないと思う。
「大卒」を捨てる以上、実力だけで夢を叶えなければいけない。
インディーズゲームを開発して、そのクオリティを評価された上で、ヘッドハンディングされる。
このくらいの気持ちがなければ、良い会社には入れない。
成功する可能性は、低い。
茨の道だ。
そう伝えた。

もう一つ、大人の悪知恵を吹き込んだ。

――― ゲームのプログラマーだけに固執しないこと

実力あるプログラマーは、需要が高い。
ゲームのプログラマーだけに限定しなければ、現実に負けた時、実力が救いなるはずだ。

ちなみに、彼のコミュニケーションの「障害レベル」は、低い。
大人の経済社会の中には「いくらでもいる」レベルだ。
この「勘違い」も徐々に解いてあげなければいけないと思う。
ゲームプログラマーにも、仕事上のコミュニケーション能力は必要になるのだから。

二人目の弟子

自動車販売・修理会社を経営する後輩から2つの相談があった。

・猫を飼いたいと思っている
・息子がモンハンで強くなりたいと言っている

本人は猫アレルギーがあると自覚しているらしく、家族も含めて猫アレルギーが心配だと言う。
これに関しては、検査を勧めた上で、クリニックを紹介しておいた。
あとは、猫を飼い始めた後に猫アレルギーが発症した不幸な私のアレルギー対策法を伝授しておいた。

――― 問題は、モンハンだ

モンハンとは「モンスターハンター」というゲームのこと。
そのモンハンというゲームの中で、どうしても強くなりたいという。
なかなか見所のある男だ。

――― モンハンは遊びじゃねーぞ

これが、私のモンハン仲間の中で使われる合言葉だ。
まずは、現状のキミのチカラとカクゴを見せてもらおうじゃないか。

という経緯で、もう一人弟子が増えた。

そして、少し前、ライトボウガンしか使ったことがないという弟子とモンハンをプレイした。
私が1年以上プレイしていないモンハンのリハビリに数時間を費やした後に参戦したことは内緒のままだ。

結果、動きは悪くないが、決して強くもない弟子。
この先は「空間の使い方」と「戦略的な立ち回り」という地味な修行のはじまりだ。
乱戦の中、チームメンバーの残り体力を把握して、他者への回復行動(配慮)ができる「真の男」になるまで、まだまだ先は長い。


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