見出し画像

京都の夜で日本の貧しさを憂う

少し前、京都へ出張する用事があった。
その時の2泊、京都の夜を散策した。
そこで感じたのは「日本人の貧しさ」だった。
今回はこの辺りのことについて書き綴っていく。


圧倒的な客単価の差

経営者としては、飲食店に行くと、どうしても「他の客の客単価」が気になってしまう。
立地から家賃、店内を見て水道光熱費を想像し、席数と客数を見て、脳内では「売上と利益のオートフェルミ推定」が始まってしまうのだ。
最後に見るのが客単価。
これでオートフェルミ推定が完了する。

インバウンド(以下、外国人)の客単価は、極めて高い。
私が2日間で見た限りでは、日本人に比べて2倍以上のペースで消費していく。
日本人は1品ずつ、ゆっくりと、控えめにオーダーする。
外国人は、ファーストオーダーから勢いが違う。
これは、体格差や観光で財布の紐が緩んだことを考慮しても、圧倒的に違う。

外国人は、消費マインドが高い。
メニューの金額に躊躇しない。
店側が狙って推すイチオシに堂々と乗っかって、高価格帯のメニューをオーダーしていく。

一方、日本人の消費マインドは低い。
地代の高い観光地の店で、低価格帯のメニューをオーダーして、長居する。
私の感覚だと、1時間1人3000円以上は消費しないと、居づらい。
しかし、その半額以下なのが日本人の実態だった。

――― これが国が貧しくなるということ

京都の夜で、それに憂いを感じた。
ちなみに、取引先にプリンス系のホテルを押さえてもらったのだが、宿泊客の9割程度は外国人だった。

円が弱いということ

私が学生の頃、マックのバーガーがバグっていた。
ハンバーガー65円。
チーズバーガー80円。
あれは一体何だったのか?

今、マックのWebサイトを見たところ。
ハンバーガー170円~。
チーズバーガー200円~。
なぜ ”~” なのかは分からないが、随分と価格は上がっている。

ところが、2024年1月のビッグマック指数。
日本は45位だ。
9位アメリカ841円、45位日本450円。
30年程前「安い」と日本人が爆買旅行へ行っていた中国は43位513円。
20年程前に爆買旅行先だった韓国は31位607円。

――― どうしたニッポン!?

日本45位の一つ下には、46位ベトナム445円が控えている。
49位には、フィリピン423円も控えている。
やがて、越される。
これが、日本の現実。
日本人は、既にメイドインジャパンを気軽に買えない民族になっている。

日本の行き着く先

間違いなく、経済的な層は真っ二つになる。
各個人の経済層は、勤める事業所に依存する傾向が強い。

その事業所の経済層は、外需への依存性が強くなっていく。
既に内需は大手企業の包囲網の中で消えていく仕組みが出来上がっている。
内需で生き残るは難しい。
大手企業の包囲網の中では、大手企業は下請に利益を出すことを許さない。
これを痛いほど感じている経営者は多いと思う。

中小企業は、外資流入の多い会社、業界の中へ入り込んでいかなければ、利益が出なくなっていく。
外国人と日本人の消費マインドと客単価の差は明らかだ。
外資流入から遠い位置にある業界や事業所は、辛くなる一方だ。
これも、未来のことを真剣に考えている経営者であれば、既に殆どの人が気づいていることだと思う。

かつての中国、韓国、ベトナム、フィリピンが日本にしたこと。
それを今度は、日本がすることになる。

――― さぁ、ここからが本番だ!

戦後最大の「事業所整理チキンレース時代」がはじまる予感。
そして、心の奥底で、それに少しワクワクしている自分がいる。
きっと、私と同じ気持ちの経営者は多いはずだ。
願わくば、私の周りの人、全員で生き残りたい。


いいなと思ったら応援しよう!

そこらへんの経営者
サポートに感謝申し上げます。 執筆活動のクオリティアップに精進致します。