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裸の経営者様

随分少なくなったように思えるが、今でも時々出会う。
それが「裸の王様」ならぬ、「裸の経営者様」だ。
つい先日、久しぶりに出会った。
今回は、この辺りのことを書き綴っていく。

裸たる働き方

従業員にとにかく「YES」と言わせること。
ここに尽きる。
「YES」以外は、認めない。

傍若無人なことも多い。
普通の感覚を持っていたら絶対に言わない「嫌味」を言ったりする。

「勘違い」を修正しないことが多い。
「謝りたくない」という気持ちが強いのかもしれない。
明らかに間違った意見に対しても「YES」を強制してしまう。

言うことが多々変わることも多い。
その時思ったことを軽く言ってしまい、自分の言ったことを覚えていないのかもしれない。

「差が利益」という考え方が強い傾向がある。
その結果、ありとあらゆるものを安く抑えようとする。
特に、仕入先、外注先、人件費という目立つものへの値下げ要求が激しいことが多い。

おそらく、従業員を本当にコマだと思っている。
この点は、部外者目線でも、本当に行き場のない怒りを覚える。

裸王の多い業界

私の経験上、以下の業界に多い。

・既に完成されている業界
・肉体労働比率が高い
・労働者人数が多い
・営業年数が長い(特に3代目辺り)

従業員はどう思っているか?

「もう、どうしようもない」
ここに行き着く。
ようするに、あきらめている。

普通の感覚の人は、短い期間で会社を去る。
恐ろしいのは、厳しい環境に適応して長く勤めている人だ。
その中には、高確率で「裸の経営者の子分」のような存在がいる。

王が言いにくいことを代わりに言う子分。
「納品後の値下げ交渉」もへっちゃらだ。
成功したら、褒められる。
王から褒められた自分は、偉い。
部下には、自分が王のように振る舞う。

「裸の子分」は、感染する。
おおよそ感染が行き渡ると「裸の会社」が完成する。

――― 完成すると、新しい従業員は定着しない

裸の経営者。
裸の子分。
今にも辞めそうな従業員。

これが「裸の会社」の構成だ。

部外者はどう思っているか?

「異様」という言葉が相応しい。
その中で、溌溂と振る舞う裸の王様を見ると、もはや異世界の存在にすら思える。

――― しかし、現実の世界に、たしかに存在する。

内部の人たちは、その「異様」な状況に慣れている。
部外者ほど、異常性を感じていないことが多い。

逆に言えば、自分が経営する会社や勤務している会社が「異様」に見られていないかを気にした方が良い。
会社の内部からは、気づけない可能性がある。

――― 気づいたら、裸だった。

気づいた時、強烈な恥かしさを感じるのは、想像に容易い。
そうならないように、常に「信頼できる外部の人」と付き合うべきだ。


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