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【雑記】税を喰う人、税を喰われる人

経営者になって、経営団体などに入ると「税を喰う人」が思った以上に多いことに気づく。
今回は、この辺りのことについて書き綴っていく。

税を喰う人とは?

ここで言う「税を喰う人」とは、行政や行政機関などを顧客として、売上を上げる人のこと。

一番わかりやすいのは、公務員だ。
議員も分かりやすい。
自分自身も納税はしつつも、自分の報酬の源泉もまた税金だ。

医者や介護者も同等だ。
全てではないが、大部分は税金から報酬を得るビジネスモデルとなる。
健康保険料、介護保険料など、社会保障費を財源として成り立っている。

忘れてはいけないのが、建設業。
公共工事を主な仕事としている建設業者は、主な取引先が行政機関ということになる。
そして、公共工事を主な仕事としている建設業者は、かなり多い。
その外注先もある程度、税を喰らっていると言える。

売上の占める割合こそ違えど、かなりの税を喰っている企業もある。
大手広告代理店、ITベンダー企業など、投入される税額を見ると、凄まじい額だ。

まだまだいる。
例えば、印刷業。
地方へ行けば、市町村、商工会、商工会議所、観光協会などの仕事が殆どを占める会社は意外なほど多い。

最近で言えば、コンサルタント。
その収入の源泉は、補助金、助成金だったりする。
現在、急激に廃業が増えているのは、補助金や助成金ありきの仕事のやり方をしているコンサルタントが多いからだろう。

――― 税を喰う人は、意外なほど多い

もちろん、ルールに従って正しく税を喰っているのなら、悪い事ではない。
外からは「利権」や「既得権益」だと言われても、ルールを守っていれば、ビジネスとして問題はない。

税を喰われる人

ここでは、税金を源泉として売上を上げていない人のことを「税を喰われる人」とする。

先に記載した通り、「税を喰う人」は、意外と多い。
経営者として周りを冷静に見ていると、税を喰う人の方が多いように思える。
3次請け、4次請けの業者ともなれば、自分が税を喰っているという感覚はないかもしれない。
しかし、そこまで含めると、税を喰う側の方が多い気すらする。

かく言う私の会社も、税金を全く喰っていないわけではない。
正しく計算するのは難しいが、厳密に計算すれば税金が源泉になっている売上が数%程度はあると思う。
どのくらいから「税を喰う側」なのかを決めるのは難しいが、以下、少なくとも税金が源泉となる売上を会社として期待しているなら「税を喰う側」ということにする。

減税が難しい理由

「税を喰う側」が多いということは、減税というのは難しいということになる。
税収が減れば、自社の売上が下がる恐れがある。
行政機関が予算を絞めれば、売上が下がるのは当然のことだ。
その自覚がある経営者は、減税を声を出して言うことに抵抗があると思う。

経営者ではない人はイメージしづらいかもしれないが、多様化が進み切っていない地方へ行けば、そこの経営者の多くは自民党支持者だ。
税を喰う側の会社の経営者は、自民党の党員だということも多い。
地方の自民党の支部活動を見ればすぐ分かる。
その構成員の殆どは、議員と経営者だ。

さて、忘れてはいけないことをあえてこのタイミングで書く。

――― 日本の与党は自民党であり、その自民党が内閣をつくる

当たり前のことだ。
しかし、これでは、減税は難しい。
税を喰う側の会社は、意外なほど多いからだ。
減税よりも、より多くの税を喰らいたいという気持ちが働いてしまう。
政治的なことを声に出して言いたがらない経営者は多い。
黙って税を喰らう方が経営者として賢い選択とも言える。

もちろん、ここに書いたことが全てではない。
税を喰う側でありつつも、減税を望んでしまうのは自然なことだ。
下心など一切ない経営者もいる。
逆に、税を喰う側の目に余る暴走も、いくらでも垣間見える世の中だ。

しかし、こういった側面(現実)があることを知っておいて欲しい思う。
教師が教えるべきことだとは思わないが、親として子供に教えるべき内容程度ではあると思う。

ちなみに、私は減税には賛成派だ。
正確に言うと、社会保険料を減らすべきだと思っている。
現役世代の40代の私から、一般的な新入社員の給与より高い社会保険料を奪い、95歳の私の祖父から、年間80万もの後期高齢者医療保険料を奪うこの国が正常とは思えない。
しかも、徴収した保険料だけでは予算が到底足らず、税金の大部分を社会保障費へ投入している。
どう考えても、減税という方向へ向かう気がしない。
末期のポンジスキーム的なこの社会保障の仕組みを抜本的に考え直すべきだ。

お国の方へ。
本当に、真剣に、考えて欲しい。
税を喰う側も、いつまで言うことを聞くかは分からないのだから。


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